妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

『今昔画図続百鬼』

山精(さんせい)

『今昔画図続百鬼』より「山精」 山精は中国には安国県の山々に住むとされる妖怪。 石燕の解説文では「もろこし安国県に山鬼あり」と書いてあるため、石燕が描いたのは一応鬼であると想像できる。 目立った特徴は、鬼なのに角が無いこと、足が一本しかないこ…

鬼(おに)

『今昔画図続百鬼』より「鬼」 世に丑寅の方を鬼門といふ。 今鬼の形を画くには、頭に牛角をいたゞき腰に虎皮をまとふ。 是丑と寅との二つを合せてこの形をなせりといへり。 鬼は日本人なら誰もが知っている、虎柄パンツに二本角の妖怪である。 元は鬼は「お…

貉(むじな)

『今昔画図続百鬼』より「貉」 貉の化る事をさをさ狐狸におとらず ある辻堂に、年ふるむじな僧とばけて六時の勤おこたらざりしが、食後の一睡にわれを忘れて尾を出せり 狸の項でも触れたが、貉とは地方によってどの動物の事を指す言葉かが違う為ややこしい。…

逢魔時(おうまがとき)

逢魔時 『今昔画図続百鬼』より「逢魔時」 黄昏をいふ。百魅の生ずる時なり。 世俗小児を外にいだす事を禁む。 一説に王奔時とかけり。これは王奔前漢の代をうばひしかど、程なく後漢の代となりし故、昼夜のさきひを両漢の間に比してかくいふならん。 逢魔時…

不知火(しらぬい)

『今昔画図続百鬼』より「不知火」 筑紫の海にもゆる火ありて、景行天皇の御船を迎へしとかや されば歌にもしらぬひのつくしとつゞけたり 不知火は九州を中心に伝わる怪火の一つであり、現代でも見る事が出来る。 主に不知火が現れるのは深夜で、海岸から数…

火消婆(ひけしばば)

『今昔画図続百鬼』より「火消婆」 それ火は陽気なり 妖は陰気なり うば玉の夜のくらきには、陰気の陽気にかつ時なれば、火消ばゞもあるべきにや 火消婆は、提灯などの火を消して回るとても火の用心で消防団の味方な妖怪。吹っ消し婆とも。 詳細がわからない…

比々(ひひ)

『今昔画図続百鬼』より「狒々」 僕的には最も荒々しい妖怪画であると思っているこの狒々。イノシシをふんづかまえてぶん殴ろうとしている様が乱暴でランボーでとても良い。 ヒヒと言えば動物のヒヒを思い浮かべるかもしれないが、一応妖怪の狒々とは別であ…

鵺(ぬえ)

歌川国芳の描いた「鵺」 鵺は日本でもなかなか知名度の高い恐ろしい妖怪として伝わっている。 その容姿は書によって異なるが、石燕も↓国芳も、サルの顔、タヌキの体、トラの手足、尾はヘビで描いている。 『今昔画図続百鬼』より「鵼」 鵼は深山にすめる化鳥…

震々(ぶるぶる)

『今昔画図続百鬼』より「震々」 ぶるぶる又ぞゞ神とも臆病神ともいふ 人おそるゝ事あれば、身戦慄してぞつとする事あり、これ此神のゑりもとにつきし也 震々は、人が恐怖を感じた際に襟元に取り憑き、震えさせるという妖怪。 つまり人がブルブルっと震える…

天井下(てんじょうくだり)

『今昔画図続百鬼』より「天井下」 むかし茨木童子は綱が伯母と化して破風をやぶり出、今この妖怪は美人にあらずして天井より落 世俗の諺に天井見せるといふは、かゝるおそろしきめを見する事にや 天井よりぶら下がるおっさん(本当は老婆らしい)の妖怪。物凄…

青女房(あおにょうぼう)

『今昔画図続百鬼』より「青女房」 荒たる古御所には青女房とて女官のかたちせし妖怪、ぼうぼうまゆに鉄漿くろぐろとつけて、立まふ人をうかゞふとかや。 鏡を覗き込む、お歯黒べたべた、眉毛ぼうぼうで、誰もいないような荒れた古御所で、誰かが訪ねて来る…

魃(ひでりがみ)

『今昔画図続百鬼』より「魃」 一名を旱母といふ もろこし剛山にすめり その状、人面にして獣身なり 手一つ足一つにして走る事、風の如し 凡此神出る時は旱して雨ふる事なし 魃は剛山という山に住む、手足が一本ずつしかない妖怪。 魃が居る場所は雨が降らな…

金霊(かねだま)

『今昔画図続百鬼』より「金霊」 金だまは金気也 唐詩に不貧夜識金銀気といへり 又論語にも富貴在天と見えたり 人善事をなせば天より福をあたふる事、必然の理也 金霊は金の精霊、または金の気の塊である。妖怪というよりは怪異、怪異というよりは奇跡か。 …

丑の刻参り(うしのこくまいり)

『今昔画図続百鬼』より「丑時参」 丑時まいりは胸に一つの鏡をかくし、頭に三つの燭を点じ、丑みつの比神社にまうで、杉の梢に釘うつとかや はかなき女の嫉妬より起りて人を失ひ身をうしなふ 人を呪詛ば穴二つほれとはよき近き譬ならん 呪いたい相手をわら…

魍魎(もうりょう)

『今昔画図続百鬼』より「魍魎」 形三歳の小児の如し 色は赤黒し 目赤く、耳長く、髪うるはし このんで亡者の肝を食ふと云 死んだ者の肝を食う、幼児のような姿の妖怪。 ーーと、決めつけてしまえば話は単純なのだが、魍魎は実にややこしく実体が掴めない。…

橋姫(はしひめ)

『今昔画図続百鬼』より「橋姫」 橋姫の社は山城の国宇治橋にあり 橋姫はかほかたちいたりて醜し 故に配偶なし ひとりやもめなる事をうらみ、人の縁辺を妬み給ふと云 橋姫伝説は水神信仰と密接なかかわりがあり、多くの地域に存在している。 その中でも特に…

酒呑童子(しゅてんどうじ)

『今昔画図続百鬼』より「酒顚童子」 大江山いく野の道に行かふ人の財宝を掠とりて、積たくはふる事山のごとし 輟耕録にいはゆる鬼贓の類なり むくつけき鬼の肘を枕とし、みめよき女にしゃくとらせ、自ら大盃をかたぶけて楽めり されどわらは髪に緋の袴きた…

覚(さとり)

『今昔画図続百鬼』より「覚」 飛騨美濃の深山に玃あり 山人呼んで覚と名づく 色黒く毛長くして、よく人の言をなし、よく人の意を察す あへて人の害をなさず 人これを殺さんとすれば、先その意をさとりてにげ去と云 人の心を読むと言われる、飛騨や美濃の山…

毛倡妓(けじょうろう)

『今昔画図続百鬼』より「毛倡妓」 ある風流士うかれ女のもとにかよひけるが、高楼のれんじの前にて女の髪うちみだしたるうしろ影をみてその人かと前をみれば、額も面も一面に髪おひて、目はなもさらにみえざりけり おどろきてたえいりけるとなん 文字通り毛…

野衾(のぶすま)

『今昔画図続百鬼』より「野衾」 野衾は鼯の事なり 形蝙蝠に似て、毛生ひて翅も即肉なり 四の足あれども短く爪長くして、木の実をも喰ひ、又は火焔をもくへり 長い年月を経たコウモリがなるとされる妖怪。 人の血を吸うだけでなく火も食べるグルメ家。人の視…

船幽霊(ふなゆうれい)

『絵本百物語』より「船幽霊」 海、川、湖に現れる、亡者の怨念だろうと思われる水に纏わる妖怪(怪異)。 しかし↑春泉の描いた船幽霊達は楽しそうである。 船幽霊は、生きている者を仲間に加えようとしてくる。伝承に依れば、船に乗っている生者の前に現れ…

大首(おおくび)

『今昔画図続百鬼』より「大首」 大凡物の大なるもの皆おそるべし いはんや雨夜の星明りに鉄漿くろぐろとつけたる女の首おそろし なんともおろか也 文字通りの大きな首(頭)の妖怪。 江戸時代にはかなり多くの目撃情報があったようで、怪談集等によく書かれ…

骨女(ほねおんな)

『今昔画図続百鬼』より「骨女」 これは御伽ばうこに見えたる年ふる女の骸骨、牡丹の燈籠を携へ、人間の交をなせし形にして、もとは剪燈神話のうちに牡丹燈記とてあり。 石燕の解説にあるように、伽婢子という書物の怪談に出てくる女の妖怪である。 生前恋し…

古戦場火(こせんじょうび)

『今昔画図続百鬼』より「古戦場火」 一将功なりて万骨かれし枯野には、燐火とて火のもゆる事あり 是は血のこぼれたる跡よりもえ出る火なりといへり 怪火の中でも若干変わった火の妖怪。 昔戦のあった場所などに、死んだ者たちの怨念が火となって現れる。そ…