妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

橋姫(はしひめ)

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『今昔画図続百鬼』より「橋姫」
 
橋姫の社は山城の国宇治橋にあり
橋姫はかほかたちいたりて醜し
故に配偶なし
ひとりやもめなる事をうらみ、人の縁辺を妬み給ふと云
 
 
橋姫伝説は水神信仰と密接なかかわりがあり、多くの地域に存在している。
その中でも特に有名なのが、この、京都は宇治川の宇治橋で祀られている橋姫である。
物凄い形相で鬼のようだが、まさにこの橋姫は深い嫉妬によって自ら鬼になることを貴船神社の明神に誓い、このように宇治川に浸かっているのである。
髪を5つに分け5本の角にし、顔には朱をさし体には丹を塗って全身を赤くし、鉄輪を逆さに頭に載せ、さらに両端を燃やした松明を口にくわえ、宇治川に浸かったのだとか。
しかも、その後この姿で大通りを走るのである。
そうまでして鬼になり、妬む気持ちを晴らしたかったのだから、本当に橋姫の執心というのは恐いものである。
――で、この鬼になろうと橋姫が行った儀式が、丑の刻参りのルーツとなっている。
 
ところで、この橋姫の絵の解説文は言いたい放題で結構ひどい。
「顔はほんと酷いし、それだから配偶者もいない。独身である事を怨み、人を妬んでるんだ」みたいに書いてあってちょっと橋姫に同情する。