青女房(あおにょうぼう)
『今昔画図続百鬼』より「青女房」
荒たる古御所には青女房とて女官のかたちせし妖怪、ぼうぼうまゆに鉄漿くろぐろとつけて、立まふ人をうかゞふとかや。
鏡を覗き込む、お歯黒べたべた、眉毛ぼうぼうで、誰もいないような荒れた古御所で、誰かが訪ねて来るのを化粧をしながら待っている妖怪。
妖怪画集に描かれてはいるものの、現代でもこういう実在の人間はいる気がする。
理想を追う事は良い事だが、理想を追い過ぎると青女房のようになってしまいかねない。
理想と現実の境界を心得ていてこそ、理想はなお輝くものである。
現代でも通ずる、なんだか沢山教訓を秘めていそうな醜い妖怪である。
↓画像は百鬼夜行絵巻の青女房。最早真っ白白の白女房。