『画図百鬼夜行』青坊主をがんばって絵解き
青坊主絵解き
さて今回はコメント欄にもリクエスト(と僕は受け取った)を頂いた青坊主。
とりあえず絵を見てみよう。
一つ目の坊主が首をかしげるようにこっちを見ていて、後ろには小屋が建っていてヤカンが覗いている。
背後にはツブツブが気になる謎の木。
当然、さっぱりわからんので、足掛かりにwikiを見てみると、「青臭い坊主っていう洒落じゃねぇか」と書かれている。
そこで、無理やりに進まずにそこに焦点を絞っていろいろと探ってみることにした。
まず、後ろの木である。コイツは絶対意味がありそうなので、結構な時間色々な樹の画像を眺めていたら――見事見つけた。
これは絶対正解。
これ。その名も「アオキ」だそうな。
青坊主の背後にある木はアオキ、までは突き止めた。
※追記
アオキじゃない、というコメントを多数いただき、加えて枇杷だろう、という意見も頂戴した。
確かに、アオキはそんなに大きくならないようだし、見れば見るほど枇杷に見えてくる。
琵琶法師関係説、三国妖婦伝モトネタ説等、多数面白い情報を頂き皆さまに感謝。
もっと何かわかれば追記したいと思う。
次にやかんを調べると、これはかなり強引な気もするが、「もともとは中国の注ぎ口と取っ手のある、生薬用の加熱器具、銚子(ディアオズ)――」という記述を見つけた。
もともとはディアオズ。ディあおズ?
よし三百歩譲ってこれもアオとしよう! でないと進めない!
※追記
さすがにない。反省。
次に、屋根から下がる吊灯篭。これはもうここまでの流れからしたらどうかお願いだから青銅の吊灯籠ということにさせてほしい。
で。
一番謎なのはその妖怪青坊主本体である。
まぁ着ているのは藍染の袈裟だと仮定して、さらに髭は青髭だと仮定して、一体なぜに一つ目なのか? という部分が最大の謎である。
が。
ここは深く考えすぎずに、鳥山石燕が百鬼夜行絵巻や『百怪図巻』を模倣して描いた妖怪も数多くこの『画図百鬼夜行』シリーズには入っていることを思い出したい。
こいつのモトネタは、目一つ坊。
はいこの通りそのまんまなのである。
まとめると――
妖怪青坊主は、『百怪図巻』の目一つ坊を元に、未熟な青い坊主という意味で、藍染の袈裟にアオキに青銅の吊灯篭にディアオズに――と、とにかくあお塗れにした妖怪なのである!
で、どうだろうか。