2013-01-24から1日間の記事一覧
『今昔画図続百鬼』より「覚」 飛騨美濃の深山に玃あり 山人呼んで覚と名づく 色黒く毛長くして、よく人の言をなし、よく人の意を察す あへて人の害をなさず 人これを殺さんとすれば、先その意をさとりてにげ去と云 人の心を読むと言われる、飛騨や美濃の山…
『今昔画図続百鬼』より「毛倡妓」 ある風流士うかれ女のもとにかよひけるが、高楼のれんじの前にて女の髪うちみだしたるうしろ影をみてその人かと前をみれば、額も面も一面に髪おひて、目はなもさらにみえざりけり おどろきてたえいりけるとなん 文字通り毛…
『百器徒然袋』より「沓頬」 鄭瓜州の瓜田に怪ありて、瓜を喰ふ霊隠寺に僧これをきゝて符をあたふ 是を瓜田にかくに、怪ながくいたらず のち其符をひらき見るに、李下不正冠の五字ありと かつてこの怪にやと、夢のうちにおもひぬ 石燕の創作妖怪盛りだくさん…
『今昔百鬼拾遺』より「煙々羅」 しづか家のいぶせき蚊遣の煙むすぼゝれて、あやしきかたちをなせり まことに羅の風にやぶれやすきがごとくなるすがたなれば、烟々羅とは名づけたらん 珍しい煙の妖怪。見ようと思えばどのような煙の中にも見出すことができる…
『百怪図巻』より「うぶめ」 出産の際に命を落とした妊婦がなると伝わる産婦の妖怪。 「産女」とも書く。 水辺に現れ、手に抱いた赤子を手渡そうとしてくる。その赤子を受け取れば、大きな力を得たり、帰って見れば赤子が石になっていたりと、バリエーション…