妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

『画図百鬼夜行』

おとろし

『百怪図巻』より「おとろし」 おどろおどろ、恐ろしい――そういった言葉が妖怪化した(と言われる)妖怪。 どの作品でも頭だけの鬼の様に描かれているが、解説文のある資料が無いためいまいち正体の解らない妖怪でもある。 ただ、おとろしは「わいら」とセッ…

元興寺(がごぜ)

『画図百鬼夜行』より「元興寺」 奈良の元興寺(がんごうじ)に現れたとされる妖怪。 元興寺の鬼、とも呼ばれる。 描かれる姿もまちまちで、↑の石燕の絵では僧の姿の鬼で描かれているが、『百怪図巻』には↓のように恐ろしい表情の人間として描かれていたりする…

河童(かっぱ)

『画図百鬼夜行』より「河童」 河太郎ともいふ 日本国内で一番有名であろう妖怪、河童。 全国各地に伝承があり、頭に皿を乗せ、背中には甲羅にのある容姿はあまりにも有名。呼び名も沢山ある。河太郎、ガワッパ、ガタロウなどなどなどなど。 全国に伝承があ…

濡女(ぬれおんな)

『百怪図巻』より「ぬれ女」 水も滴るいい妖怪。 髪が常に濡れていることからこの名前が付いた。 しかしご覧の通り濡れた美女なのは顔だけで、首から下は気絶できる。 伝承に依ると、濡れ女の尻尾は300メートル以上あるらしく、一度見つかったら決して逃…

ひょうすべ

『百怪図巻』より「へうすへ」 主に九州地方に伝わる妖怪。ただの変態オッサンな外見とは裏腹に、笑うひょうすべに釣られて笑うと死んでしまったり、見ただけで熱病にかかって死んでしまう等、凶悪な伝承が多い。 たまに人の家の風呂に勝手に浸かってるらし…

しょうけら

『百怪図巻』より「しょうけら」 庚申待の日などに人間が正しい生活を送っているかを監視する妖怪。 もし悪事を働いていたりすれば、しょうけらの鋭い爪でたちまち内臓を切り裂かれてしまう。 『百怪図巻』以外にも、石燕は屋根の上から家の中を覗く姿を描い…

雪女(ゆきおんな)

『百怪図巻』より「ゆき女」 人気も高く、非常に有名な雪の妖怪。 どのような物語、または伝承でも、美女として語られる事が多い為か現代での創作物でもまず間違いなく美女として登場する羨ましい妖怪。 雪はとかく視界が悪くなり、精神的にも妖怪を見やすく…

見越入道(みこしにゅうどう)

『百怪図巻』より「見越入道」 日本各地に伝わる、巨大入道妖怪。 僧の姿で現れ、見ていたらどんどんと背が高くなった、または首がどんどん伸びていったーーなど多様なバリエーションを持ついまいち特性も定まらない妖怪。 見越入道に逢うと殺されてしまう伝…

手の目(てのめ)

『画図百鬼夜行』より「手の目」 顔に目がなく、代わりに両掌に目が付いた坊主の妖怪。 手の目は多分に洒落や言葉遊びが込められた妖怪のようで、「手目をあげる」という行為は悪事を明かす、という意味を持ち、坊主の妖怪であることも、賭け事などに負けて…

姑獲鳥(うぶめ)

『百怪図巻』より「うぶめ」 出産の際に命を落とした妊婦がなると伝わる産婦の妖怪。 「産女」とも書く。 水辺に現れ、手に抱いた赤子を手渡そうとしてくる。その赤子を受け取れば、大きな力を得たり、帰って見れば赤子が石になっていたりと、バリエーション…

轆轤首(ろくろくび)

『画図百鬼夜行』より「飛頭蛮」 非常に有名な首が伸びる怪異・妖怪。 ろくろの由来となっているのは、陶芸の際に用いるろくろ、井戸のろくろ(滑車)等々、いくつかあり定まっていない。 轆轤首の原型と見られるものは「首が伸びる」のではなく、「首が飛ぶ…

猫又(ねこまた)

『百怪図巻』より「猫また」 年老いた猫がなると言われている妖怪。化け猫と同一視されがちだが、一応起源が違うので別の妖怪。でもほぼ一緒。 猫又が初めて文献に現れたのは鎌倉時代の『明月記』で、一晩に何人もの人間を食い殺した、と書かれている。ただ…

わいら

『百怪図巻』より「わヰら」 他のいかなる妖怪画集にも下半身が描かれていない謎の妖怪。 「畏畾(わいらい)」という、かしこまる、畏る、という意味の言葉が元ではないかという説が僕個人としては一番説得力がある。故に下半身が描かれず、常に平身低頭………

反響、こだまの原因となる妖怪、山びこ(やまびこ)

『百怪図巻』より「山びこ」 山で声が返ってくるこだま現象の正体と言われる妖怪。 今でこそ解明されてしまっているこだまだが、かつては怪異であったことが伺える。 因みに鳥山石燕は「幽谷響」という字を当てている。 『画図百鬼夜行』より「幽谷響」 描か…

高女(たかおんな)

『画図百鬼夜行』より「高女」 妬み嫉みに駆られた醜女がなると言われている妖怪。鬼女の一種とも。 男に相手にされない醜女が、妬みから二階を覗いて回った、という怖いエピソードを持つ。 下半身が伸びる不気味仕様であることから、高女と名付いているもの…

ぬらりひょん

『百怪図巻』より「ぬらりひょん」 妖怪の総大将と水木しげる先生は書いているが、辿ってみると海坊主の一種のなんてことはない妖怪である説が濃厚。 「ぬらり」と現れ「ひょん」と逃げる、と言われている為、クラゲやタコを妖怪化したのではないか? という…

ぬっぺふほふ・ぬっぺっぽう

ぬっぺふほふ 佐脇嵩之『百怪図巻』より「ぬつへつほう」 かの徳川家康の元にも現れたとされる肉の塊妖怪。のっぺらぼうの原型とも言われている。 徳川家に現れた際には、皆が中国に伝わる「封」という妖怪と信じ捕まえようと試みるも逃げ足が速いようで捕ま…

火車(かしゃ)

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「火車」 墓場より人の死体を盗むと言われる妖怪。 言い伝えは各地にある為、どこから沸いたかを特定するのは難しいと思われる。 仏教の地獄にも火の車に乗った獄卒がいたりするので、火車もそのあたりの価値観を吸収しているの…

反枕(まくらがえし)

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「反枕」 寝ている者の枕の向きを変えたりひっくり返したりする妖怪。 これは単なる枕がどっか行っちゃう現象の説明としての妖怪だけでなく、不吉な方角に頭を向けて寝るな、という教訓であったり様々な意味を持っている妖怪だ…

野寺坊(のでらぼう)

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「野寺坊」 ズタボロの服で鐘の前に可愛く佇む謎の多い妖怪野寺坊。 石燕の創作とも言われているが、真偽は不明。 埼玉県には野寺という場所があり、そこには入水した坊主伝説など元ネタとなっているのではないか? とされる伝…

木より産まれし妖怪、木魅(こだま)

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「木魅」 百年の樹には神ありてかたちをあらはすといふ 百年を経た老木に宿るとされる木の精霊、もしくは神様の妖怪。 鳥山石燕の絵では老夫婦が描かれており、なんだかほっこり。 ちなみに鳥山石燕の妖怪画シリーズの最初の一…

垢嘗め(あかなめ)

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「垢嘗」 風呂場や水場などに溜まった垢を嘗めるだけの実に無害な妖怪。 長い舌をペロリと出した様は実にチャーミングかつ不気味。 この無害な妖怪は、教訓としての意味を持った妖怪であると思われ、「常に綺麗に風呂掃除とかし…