おとろし
『百怪図巻』より「おとろし」
おどろおどろ、恐ろしい――そういった言葉が妖怪化した(と言われる)妖怪。
どの作品でも頭だけの鬼の様に描かれているが、解説文のある資料が無いためいまいち正体の解らない妖怪でもある。
ただ、おとろしは「わいら」とセットで描かれることが多い為、「恐い(わい)」と「恐ろしい」を具現化した同種の妖怪との説もある。
因みにぼさぼさの長髪を「おどろ髪」と言うが、語源はこのおとろしである。
いかなる資料にも書いていなかったことだが、おとろしの髪は必ず前髪が中央に垂れていることに今気付いた。
石燕の描いたおとろしも……
『画図百鬼夜行』より「おとろし」
↑この通り。
何か重大な秘密を前髪の下に隠しているのかも。
下半身を見せない「わいら」といい、厄介な妖怪達だ。
※前髪の謎は本当に調べても判明しませんでした。