妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

河童(かっぱ)

『画図百鬼夜行』より「河童」

『画図百鬼夜行』より「河童」

 

河太郎ともいふ

 

日本国内で一番有名であろう妖怪、河童。

全国各地に伝承があり、頭に皿を乗せ、背中には甲羅にのある容姿はあまりにも有名。呼び名も沢山ある。河太郎、ガワッパ、ガタロウなどなどなどなど。

全国に伝承がある分、かなり多様なバリエーションの言い伝えが残っており起源も明確には解っていない。しかし大まかに分けて二つの起源があり、一つは西日本に多い「中国より渡って来た説」、もう一つは東日本に多い「国産妖怪説」がある。

また、河童は様々な戒めや教訓として古くから使われることも多かったようで、例えば水難事故の多い水辺では「河童が出るから水辺には近づくな」と子供に言い聞かせる為に使ったり、原因不明の水死体が見つかった際に「河童の仕業」としてしまっていたりもした。今でこそ川や海は比較的安全だが、堤防も整備もされていなかった昔は物凄く水場での事故が多かったようで。

――そのような事をまとめて推測すると、河童の起源自体は中国にあり、それが水場での事故を説明するに大変都合の良い解釈だったので瞬く間に全国へ広がった……という説が「ぽい」気がする。

河童が子供らと相撲をとり、「尻小玉」と言う謎の内臓を抜き取るという話も有名だが、これは水難事故で死んだ者の水死体を見て作られた話だとされている(水死体は膨れ上がるだけでなく、肛門が緩みフルオープンになる。その様を見て尻小玉を抜かれた、としたのだろう)。

河童がキュウリ好きとイメージされているのは、キュウリが水神信仰に欠かせない野菜であったからで、実際に河童にキュウリを与えたら食べるかどうかは解らない。

 

是非、川で河童に遭ったらキュウリを与えて検証してみて欲しい。

 

『百怪図巻』より「かわつは」

『百怪図巻』より「かわつは」

 

時を経て、更に詳しい河童起源記事を書きましたので興味があればご覧ください。



↓は色々な河童さん特集です。

 

『画図百鬼夜行』妖怪一覧へ戻る