妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

『絵本百物語』

野宿火(のじゅくび)

『絵本百物語』より「野宿火」 野宿火は、街道、山中など場所を選ばず現れる怪火の一種。 誰かが火を焚いたかのように現れる火で、人が集まった後や遊山に行った人が去った後に現れ、消えたかと思うと燃え上がり、燃えたかと思えば消え、これを繰り返す。 ま…

死神(しにがみ)

『絵本百物語』より「死神」 日本の妖怪としての死神は、生死を司るというよりは「人を死にたくさせる憑き物」として伝わっていた。 『絵本百物語』には、悪念を持った死者の気が、悪念を持った生者の気に呼応して死へと導く――とあり、今とは少し違う死神観…

磯撫で(いそなで)

『絵本百物語』より「磯撫で」 磯撫で(いそなで)は、西日本近海に伝わる魚の妖怪。 北風が強く吹くと現れ、人を襲うその瞬間まで決して姿を見せず、海面を撫でるかのように泳ぎ近づいてくる。 そして充分に人間に近付くと、尾びれの針で引っ掛けて海中に落…

狐者異(こわい)

『絵本百物語』より「狐者異」 生前に食べ物への執着の強かった者が、死後にも食べ物への執着を捨てられずになるとされる怖い妖怪。 狐者異は他人の物を奪って食べるだけでなく、死体をも喰らうというから怖い。 竹原春泉の描いた↑の絵でも非常に怖い狐者異…

飛縁魔(ひのえんま)

飛縁魔 『絵本百物語』より「飛縁魔」 飛縁魔は、男を惑わし滅ぼす女犯を妖怪として描いたもの。 丙午(ひのえうま)産まれの女性は男を食いつぶすという迷信から創作された。 いつの時代でも女性は男を骨抜き――ですね、わかります。 以下画中文と本文解説を…

二口女(ふたくちおんな)

『絵本百物語』より「ふた口おんな」 解説文 まゝ子をにくみて食をあたえずして殺しければ、継母の子産れしより首筋の上にも口ありて食をくはんといふを髪のはし蛇となりて食物をあたへ、また何日もあたへずなどしてくるしめるとなん おそれつゝしむべきはま…

野狐(やこ)

『百怪図巻』より「野狐」 野狐(やこ)は、単に野にいる狐を指す場合もあるが、憑き物としての怪異(妖怪)を指す場合もある。 主に九州地方でのキツネ憑きはこの野狐が原因とされ、憑かれた者は病気になったり、または代々野狐憑きが受け継がれてしまった…

雷獣(らいじゅう)

『絵本百物語』より「かみなり」 落雷と共に空から降ってくるとされる雷属性妖怪。 科学の力で解明され始めたせいで現在ではすっかり人気も下がった文明の犠牲者とも呼べる妖怪。しかし江戸時代などの古い時代では、雷という現象そのものが怪異であったため…

恙虫(つつがむし)

『絵本百物語』より「恙虫」 ツツガムシはダニの一種で実在しているが、かつては妖怪として恐れられていた。 科学の発達していなかった時代のとある感染症は妖怪「恙虫」の仕業とされていて、それが科学の発達と共にダニの一種の仕業と解り、妖怪「恙虫」の…

野鉄砲(のでっぽう)

『絵本百物語』より「野鉄砲」 狸、またはムササビのような姿をした、人の視界を奪い生き血を吸う妖怪。 「野衾」と特徴が似ているが、画像の『絵本百物語』内にも、コウモリが老いた妖怪「野衾」と同じ、と書かれているため、イコールと考えていいのかも知…

船幽霊(ふなゆうれい)

『絵本百物語』より「船幽霊」 海、川、湖に現れる、亡者の怨念だろうと思われる水に纏わる妖怪(怪異)。 しかし↑春泉の描いた船幽霊達は楽しそうである。 船幽霊は、生きている者を仲間に加えようとしてくる。伝承に依れば、船に乗っている生者の前に現れ…

小豆洗い(あずきあらい)

小豆洗い 『絵本百物語』より「小豆洗い」 大分県に伝わる伝承の「小豆洗おか、人とって食おか」でお馴染みの小豆を洗う妖怪。全国各地に伝承が伝わっている。 山梨県では古い橋の下によく現れたと云われ、正体は貉ではないか、と甲府の人々は考えていたよう…

旧鼠(きゅうそ)

『絵本百物語』より「旧鼠」 千年を生きた鼠が成ると言われる妖怪鼠の旧鼠。 逸話では猫を死んだ親猫代わりに育てるというほっこりするエピソードもあるが、また猫を喰らうとのおぞましい話も伝わる。 これらの逸話も、「窮鼠猫を噛む」の諺より創作されたの…

寝肥(ねぶとり)

『絵本百物語』より「寝ぶとり」 食って寝てゴロゴロ怠ける女性を風刺したと思われる太った妖怪。 感染症の一種に「寝太(ねぶと)」というものがあり、それが高カロリー、運動不足等で引き起こされることから、それを妖怪化して女性への戒めとしたとの説も…