雷獣(らいじゅう)
『絵本百物語』より「かみなり」
落雷と共に空から降ってくるとされる雷属性妖怪。
科学の力で解明され始めたせいで現在ではすっかり人気も下がった文明の犠牲者とも呼べる妖怪。しかし江戸時代などの古い時代では、雷という現象そのものが怪異であったため「雷獣」は非常に知名度も高く恐れられていた。
戦国時代にはかの立花道雪も雷に打たれた際に雷獣を斬っている。その時雷獣を斬った刀は「雷切り」と名付けられた。
雷獣の姿はオオカミのようだとか、子犬のようだとか諸説ある。江戸時代には見世物にされたりもしたが、恐らくは細工された動物であったものとされている。
自然災害を妖怪とする例は大変多く、雷獣もまたその内の一つ。人間には到底理解できないような圧倒的パワーを持つ自然災害が神聖視されるのは科学の発達した現代ですら納得できるところがある。かみなりコワイモン。
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