煙々羅(えんえんら)
『今昔百鬼拾遺』より「煙々羅」
しづか家のいぶせき蚊遣の煙むすぼゝれて、あやしきかたちをなせり
まことに羅の風にやぶれやすきがごとくなるすがたなれば、烟々羅とは名づけたらん
珍しい煙の妖怪。見ようと思えばどのような煙の中にも見出すことができるが、純粋な心で物事を見るように常日頃心がけている者でないと難しい。
因みに、煙々羅の「羅」の字は、「うすもの」とも読み、透き通った薄目の布などを指す言葉でもある。
昇り起つ煙は確かに透き通った織物のようでもあり、実に素敵な名前を石燕先生は付けたと思う。
僕も今年のどんど焼きで目撃しました(これはジョークですが)。
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