屏風のぞき(びょうぶのぞき)
『今昔百鬼拾遺』より「屏風のぞき」
翠帳紅閨に枕をならべ、顛鸞倒鳳の交あさからず、枝をつらね翼をかはさんとちかひし事も陀となりし胸三寸の恨より、七尺の屏風も猶のぞくべし
屏風のぞきは、なんともいやらしい顔つきで屏風の上から覗いてくる変態。いや、妖怪である。
石燕の解説文にも、七尺(2メートルほど)もの屏風を楽に越えて覗いてくるとある。
この屏風のぞきは、長年イチャツク男女を目の前で見てきた為に、ついに付喪神化して妖怪となった説もあり、その説で考えればこのいやらしい顔も頷ける。
ただ、どう見ても、長い前髪が屏風の向こうに垂れちゃっているため、すぐにバレるのではないかと心配である。
とりあえず出会ってしまったら(覗かれてしまったら)、通報しておくのがベターであろう。
尚、石燕の『今昔百鬼拾遺』にある屏風のぞきは、「のぞき」に難しい漢字があてられているが、どうやっても出せなかったので平仮名表記にしちゃいました、ごめんなさい。