妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

すまし顔でうそ峠

うそ峠(うそとうげ) 「ここではね、その昔血だらけの手首が落ちてきたんだそうだ」 熊本県は天草市に、うそ峠と呼ばれる場所がある。 そこでは、↑のようにうそをつくと、 「今もだよぅ」 と声がして、血まみれの手首が転がり落ちてきたのだという。 ん? …

アマテラスを取り戻せ!

前回までのあらすじ イザナギより産まれ出でた三貴士の内、最も暴力的だったスサノオがついにアマテラス姉さんと喧嘩。ウケヒ対決の後焼けくそ勝利宣言をしたスサノオは、寛大なアマテラ姉さんが何も言わないのをいいことにやりたい放題。しかし大事な機織女…

物の怪(もののけ)の謎

物の怪(もののけ) お化けや妖怪その他もろもろを、「もののけ」とも言う。 それは知っているだろうが、なぜ「物」なのか、考えたことはあるだろうか? 全てのお化けや妖怪が「物」によって起きる現象ではないし、付喪神でもない。 昔は付喪神しかいなかっ…

【河童の】河童に溺れて【起源】

河童起源で妖怪の深淵を覗いて引き込まれて溺れる記事 段々とカッパへの知識も深まってきたところで、起源説をまとめる記事を作成しておきたいと思います。 河童について深く考えることなど普通に暮らしてたらしませんが、うんちくとしては十分な威力を発揮…

狸伝膏が意外と奥深い変態妖怪だったので用を足す

狸伝膏(ばけものこう) トイレで妖怪が出るだけならまだいいが、今回紹介するのは大事なところを触ってくるとんでもない変態妖怪というのが、なんと、あるパターンを保って存在している。 まずは狸伝膏(ばけものこう)。そもそも読み方からして意味解らん…

【ティッシュ】鼻水の止まらぬ寒さですので、はなたれ小僧様【ティッシュ】

はなたれ小僧様 全身の穴という穴が緩い僕は、もちろん鼻水だってよく出る。 これだけ寒いと、へへへ、と笑っただけでも鼻水が垂れたりする。いやほんとに。 僕はティッシュを愛している。 で。 鼻水を啜りながら柳田國男の『日本の昔話』という本を読んでい…

あなたはなぜ妖怪なのか? 髪洗い婆

髪洗い婆(かみあらいばば) 愛知県新城氏日吉に伝わる、髪洗い婆という妖怪の伝承。 日吉の、ばんじょうげつという所に学橋(まなびばし)という橋があり、雨が降る夕方にそこを通ると、髪の真っ白な婆さんがじゃぽんじゃぽんと音をたてながら髪を洗ってい…

キジムナーとケンムンはヒザマずく

キジムナー(きじむなー) 沖縄県の妖怪筆頭と言えば、このキジムナーだろう。どういうわけかマイナーな妖怪のようでいて、鬼太郎茶屋でキジムナー関係の商品が多い事とか境港の駅で使われてたりとか水木プロは前面に推し出したい妖怪なのかも知れない。 確…

「スサノオ、姉ちゃんと喧嘩する」の巻

日本神話と妖怪特集その5 スサノオVSアマテラス 先は長いぞ気力は残っているか⁉ ――ということでこの日本神話特集も5回目を迎えました。 前回ようやく名の通った三貴士が登場し、日本神話もエンタメ色が強くなるところ。 今回は産まれたばかりの建速須佐之男…

布団被せ~ふわふわのお布団で安らかな眠りを~

布団被せ(ふとんかぶせ) あぁ寒い。 まどろむ意識。少し布団がずれていることに気付いたけれども、それを直す気力は無い。 あぁ眠い。眠いけど寒い。 よくある真冬の夜の出来事である。 そんな時、ふかふかの布団がふわりふわりと飛んできて、緩やかにあな…

あなたは確か……寒戸の婆

寒戸の婆(さむとのばば) 妖怪辞典をパラパラと眺めていたら、ふと「寒戸の婆」という妖怪に目が留まった。 何だか聞いた事がある。なんだったっけ? どこか遠くの……確か三十年ぐらい前に消えてしまって……あっ! あなたは確か! あなたは……妖怪だったのです…

日本神話と妖怪~アマテラスとスサノオの影からツクヨミさんがおしおきよ!~

日本神話と妖怪特集その4 やっと出てきたアマテラス! の巻 間が空いてしまいましたが、ようやくアマテラススサノオツクヨミの、所謂三貴士誕生の瞬間まで漕ぎ着けました。 <a href="http://www.youkaiwiki.com/entry/2014/12/26/164633" data-mce-href="http://www.youkaiwiki.com/entry/2014/12/26/164633">日本神話と妖怪~愛、それは憎しみ~ - 妖怪うぃき的妖怪図鑑</a>前回はアソコの火傷で…

ビコービコー! ブリブリィ! ←棒振りの音

棒振り(ぼうふり) 擬音の使い方というのは実に地域柄が出ると僕は思っている。 職場の同僚で北海道出身の女性がいるが、これが凄く面白い擬音を良く使う。 「これをですね、スンスンスン、とやればいいんです」 わからない。 「難しいんですけど、コツはウ…

鮭の大助! 今登るッ!

鮭の大助(さけのおおすけ) 以前妖怪うぃきの方で書いた創作譚で登場させたのだが、僕はこの鮭の大助が好きである。 東北地方に多く伝わるこの妖怪は、寒い時期の特定の日に眷属を連れて川を登ると言われており、その特定の日は忌み日として漁が禁止される…

米磨ぎ荒神様

米磨ぎ荒神様(こめとぎこうじんさま) 「お米磨ぎやしょか、人取って食いやしょか、しょきしょき」 でお馴染み。 なんだただの小豆あら……じゃないのである。 米磨ぎ荒神様は長野県小諸市に伝わる音のみの怪異であり、全国に広がる小豆洗い系怪異と似たよう…

霧の中のヤナ

ヤナ(やな) 新年最初の妖怪は、ものすごくマイナーだけれど、タイトルがやけにジブリっぽくなったのでコレでイクことに決定した埼玉県の妖怪、ヤナである。 ヤナは埼玉県の川越城にかつて棲んでいたと言われる。 川越城には「霧吹きの井戸」というものがあ…

紅白妖怪合戦

大晦日と言えば紅白妖怪合戦ですね 今年も終わっちゃいますねぇ。 僕の部屋ではパソコン起動してる時はテレビが見れないので、今一体どんな番組やってるのかわからんのですが、もう数年間見ていないけれど紅白歌合戦が割と早い時間からやってたように思いま…

日本神話と妖怪~愛、それは憎しみ~

日本神話と妖怪特集その3 はいこんにちはまだまだめげずに続ける気でいるこの特集も晴れて三回目となりました。 特集も何も、まだ妖怪も出てこないし古事記追っかけてるだけなんですが、こうやって噛み砕きつつ書くことで改めて日本神話や記紀(古事記、日…

そうだ髪を切ろう! 坊主狸(ぼうずだぬき)

坊主狸(ぼうずだぬき) 前髪が気になる。 僕はとにかく前髪が鬱陶しいかどうかのみで髪を切るかを決めるズボラなので、前髪がチラつき始めたこの頃はまさに切り時なのである。 さて髪を切ってもらうには毎回妖怪にお世話になっているわけだが(という妄想セ…

時をかける猩々(しょうじょう)

猩々(しょうじょう) 猩々は赤い顔、赤い髪をした猿のような妖怪で、お酒が大好きな中国発祥の妖怪である。 猿系妖怪というのは山が本拠地と相場が決まっているのだが、この猩々に関しては日本に伝来してからなぜか海から出る、という妖怪になり伝えられて…

経立(ふったち)

経立 人も含め、年を経た動物というのは何らかの魔を帯びるもののようだ。 『遠野物語』にも記述があることで有名な経立(ふったち)は、『遠野物語』内では猿の経立として語られている。 山に住む歳を経た猿がなったそれは、松脂を体に塗り、さらに砂で固め…

日本神話と妖怪~国産み編~

国産み編 さて前回の天地開闢編に引き続き国産み編です。だんだんと馴染みのある神様が出始めてきたり、多くの伝説を持つ神様が出始めてきたり、更に妖怪とも結びついてそうな神様も出始めてきたりと、とにかくイザナギイザナミの夫婦は様々なモノを産んでく…

日本神話と妖怪~天地開闢編~

天地御開闢 天瓊を以て滄海を探るの図 ついに日本神話に突っ込もうという日がやってきました。 日本神話の神々が多くの妖怪の原型となっていることは間違いのないコトなわけで、スルーして良いわけないのですが、一体日本神話の何が僕を今日という日まで書か…

今夜の3年間呪物クッキング~人形神(ひんながみ)~

人形神(ひんながみ) 地獄へ落ちる覚悟は出来たか? ――というわけで今夜はうって変わってハイテンションで富山県に伝わるとっても素敵な憑き物、人形神の作り方を伝授します♪ 因みに↑の画像はメキシコの人形島の画像で人形神ではないです。 まずはメインテ…

油返し~パッオチャトボセングリ~

油返し(あぶらがえし) 兵庫県は昆陽(こや)に出たと云われる怪火の一つ、油返し。 中山寺の油を盗んだ者の魂が油返しになる――という叢原火などの怪火と似たような伝承があったかと思えば、オオカミが灯す火だとか狐の嫁入りの火だとか、諸説あってまとま…

オシラサマとオクナイサマを巡る

オシラサマ・オクナイサマ 『遠野物語』が大好きだという方にとっては馴染みの深い妖怪(というよりは神だけど)だと思う。 東北地方で信仰されている神であり、家の神だとか、養蚕の神、馬の神だとかと言われる。 桑の木を彫った人型のものを信仰の対象とし…

つらら女に狙い撃ち

つらら女(つららおんな) 東北地方での話。 ――とある引き籠り独身男が、連日降り続く雪と、そのせいで溶けることなく家の屋根にぶら下がっているつららを見ながら、「あ~。こんなつららみたいな美しい嫁が欲しいなぁ」とぼやいていた。 それで嫁が出来たら…

夜行さん

夜行さん(やぎょうさん) 一部妖怪通の間ではメジャーな妖怪、夜行さん。 主に徳島県に伝わる妖怪で、首の無い馬に乗って夜行日(陰陽道に基づく特定の忌み日のこと。御大は百鬼夜行日とも言っておられる)や大晦日、節分など特定の日に街を徘徊する。白い…

現代版鬼女さん

鬼女(きじょ) ――鬼女の朝は早い。 長野県在住の鬼女さんは、まだ早朝五時だというのに台所で料理をしていた。 「冬だろうと、仕込みをサボるわけにはいかないんです。すぐに腐ってしまいますから」 あかぎれだらけの手を拭いながら、鬼女さんはそう教えて…

浪の音で知らせましょう――浪小僧(なみこぞう)

浪小僧 静岡県曳馬野に母と子がおり、その少年が出会ったのがこの「浪小僧」である。 それは日照りの続く日のことだった。 ある日少年は田んぼを耕し終え、帰宅前に小川で足を洗い泥を落としていた。 するとどこからか少年に向けて声が聞こえる。 「もし、そ…