簑草鞋(みのわらじ)
『百器徒然袋』より「簑草鞋」
雪は鵝毛に似て飛でさんらんし、人は鶴裳をきてたつて徘徊せし、そのふる簑の妖くはゐにやと、夢の中におもひぬ
「何見てんだよ」
ーーといった視線がイカす、妖怪簑草鞋。身体が簑、脚が草鞋となっており、防寒も滑り止めもバッチリ!
解説文は以下の通り↓
「雪は鵝毛に似て飛でさんらんし、人は鶴裳をきてたつて徘徊せし、そのふる簑の妖くはゐにやと、夢の中におもひぬ」
興味深いのが、石燕の解説文において「妖くはゐ」という言葉が出てきたこと。これまで妖怪というふうに解説文中に出てきた事は無かったような気がする。
簑も草鞋も撥水性はすこぶる良いが、当然火には滅法弱い。故にこの簑草鞋も火の近くには絶対に近寄らない。
ただ見るだに暖かそうで、真冬にバイクに乗っていたって寒くなさそうである。
ただ風圧で色々な物が飛んだり抜けたりしそうなのでその辺の配慮が大変そうではあるが。
農家の人々の想いが篭った妖怪のためか、雨が降ると大喜びで手にしたクワを振るうのだという。
可愛いやつめ!