妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

払子守(ほっすもり)

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『百器徒然袋』より「払子守」

 

趙州無の則に、狗子にさへ仏性ありけり

まして伝燈をかゝぐる坐禅の床に、九年が間うちふつたる払子の精は、結跏趺坐の相をもあらはすべしと、夢のうちにおもひぬ

 
払子守は、払子(仏具の一種。中国では煩悩を呼び起こす悪魔を払うと言われ神聖な仏具とされている)が妖怪となったもの。
石燕は解説文にて、「狗子(くし)にさへ仏性ありけり、まして伝燈をかかぐる坐禅の床に、九年が間うちふつたる払子の精は、結加趺坐の相をもあらはすべしーー」と、犬にも仏性があるんだから払子にもあるだろ、という事を書いてある。
この狗子仏性というのは有名な禅問答の一つ。また、九年が間ーーという件は、禅宗の祖、達磨が坐禅を九年間し続けたという逸話に由来している。

 
また、同じく『百器徒然袋』にある「木魚達磨」も、同じような妖怪であると石燕が自ら木魚達磨の画中文にて書いている。