袋狢(ふくろむじな)
『百器徒然袋』より「袋狢」
穴のむじなの直をするとは、おぼつかなきことのたとへにいへり
袋のうちのむじなも同じことながら、鹿を追ふ猟師のためには、まことに袋のものをさぐるがごとくならんと、夢のうちにおもひぬ
袋狢は、その名の通り大きな袋を担いだ狢の妖怪である。狢とはタヌキやアナグマの事を指す言葉だが、この袋狢は一体タヌキなのかアナグマなのかよくわからない。
因みに、石燕は様々な妖怪を百鬼夜行絵巻を元に描いており、この袋狢もまた、百鬼夜行絵巻に似たような妖怪がいる。
穴のむじなの直をするーーというのは、狸の皮算用と似たような意味の諺であり、鹿を追う猟師もまた、袋の中を探るかのようである、と書いている。
穴のむじなーーの諺に出てくるその狢ご本人が、これまた何が入っているのかわからない大きな袋を担いでいるわけで、なかなか面白い。
エスパー伊東が入っている可能性だってあるーーなんて眠い目を擦りながらおもひぬ。