河童エボリューション!カシャボ(かしゃぼ)
カシャボ
人類は進化し続けてきた。
元はただの猿で、醜く争うだけの存在だったヒトが、次第に物を持つことを覚え、投げ、叩き、道具とし、宇宙に向かって骨を投げたらそれがそのまま宇宙船へと変わったーーのような2001年宇宙の旅的モンタージュのように物凄い勢いで進化してきたのがヒトである。
同様に、多様な形態で進化し続ける妖怪もいる。
そう、河童である。
進化と呼んでいいのかわからないが、西日本では河童は秋になると山に登り山童となり、春になるとまた川に戻って河童になるという。あれ、退化?
そして、河童の進化形態の中でも一際わけわかんないです感を出しているのが「カシャボ」である。
カシャボは主に和歌山県に伝わり、やはり河童が進化したものとされている。
さぁここからは妖怪のお家芸、「混同・同一視」のオンパレード。
まず名前のせいで「火車」と関係あるなんて説もある。
また、和歌山県といえば一本ダタラ。どう考えても一本ダタラと勘違いされてるような一本足説もある。
容姿は河童のようとも言い、また芥子の実のような頭だともいう。そして体型は幼い子供のようらしい。
くすぐる、という意味の方言が「かしゃぐ」と言うらしく、くすぐり坊主の「カシャン坊」説もある。
またまた、家畜を隠したり苦しめたりもするらしい。
で。
結局なんなの? という問いには答えられないあたり、いつもの「妖怪」らしい妖怪である。
世界よ、これが妖怪だ!
妖怪って、白黒ハッキリさせたい人にはツライジャンルだよな、なんて今ふと思った。