鉦五郎(しょうごろう)
『百器徒然袋』より「鉦五郎」
金の鶏は淀屋辰五郎が家のたか、なりしよし
此かねも鉦五郎と言へるからは、金にてやありけんと、夢のうちにおもひぬ
鉦五郎は、鉦鼓が妖怪となった付喪神。
淀屋辰五郎(江戸時代の商人で、莫大な資産を持っていた人物。しかし贅沢に暮らし過ぎたせいで幕府に財産を没収され、さらに商家も断絶、そのまま凹んで病にかかり死んでしまった悲劇の人)の宝としていた金の鶏と鉦を掛け、さらに辰五郎という名前と合わせてしまった石燕の創作色の濃い妖怪。
石燕の解説文は↓
「金の鶏は淀屋辰五郎が家のたか、なりしよし。此かねも鉦五郎と言へるからは、金にてやありけんと、夢のうちにおもひぬ」
金の物には淀屋辰五郎の魂が宿りやすい。みんなもお金があるからと驕らずに、淀屋辰五郎にならないように、気をつけよう!
ーーなんて、夢うつつにおもひぬ。