絹狸(きぬたぬき)
『百器徒然袋』より「絹狸」
腹つゞみをうつと言へるより、衣うつなる玉川の玉にゑんある八丈のきぬ狸とは化しにやと、ゆめの中におもひぬ
逆から読んでもキヌタヌキ!
絹狸は、石燕の遊び心満載の、化け狸の妖怪である。
「腹つゞみをうつと言へるより、衣うつなる玉川の玉にゑんある八丈のきぬ狸とは化しにやと、ゆめの中におもひぬ」
解説文を読むと、八丈島産の絹へ化けた狸であることがわかる。だから、絹狸。
また、布を打つ道具で砧(きぬた)というものがある。だから、きぬたぬき。
そして、絹に化けたタヌキは、どちらが頭でどちらが尻尾かよくわからない。だから、きぬたぬき。
ーーなんて、ゆめの中におもひぬ。