松明丸(たいまつまる)
『百器徒然袋』より「松明丸」
松明の名はあれども、深山幽谷の杉の木ずゑをすみかとなせる天狗つぶての石より出る光にやと、夢心におもひぬ
松明丸は、天狗火の一種である。
石燕の解説文には、
「松明の名はあれども、深山幽谷の杉の木ずゑをすみかとなせる天狗つぶての石より出る光にや」
とあり、松明とは付くものの、天狗礫が起きた際に、その石より出る光である、と書いている。
天狗礫の石から光が出て、それがこの松明丸のような天狗になるのだろうか?
なんにしろ、石燕の描いた松明丸とやら、かなり勢いが良さそう。まるで火をつけられているんじゃないかと間違えそうな様子である。
ーーなんて、夢心地におもひぬ。