2013-03-31から1日間の記事一覧
泥田坊 『今昔百鬼拾遺』より「泥田坊」 むかし北国に翁あり 子孫のためにいさゝかの田地をかひ置て、寒暑風雨をさけず時々の耕作おこたらざりしに、この翁死してよりその子酒にふけりて農業を事とせず はてにはこの田地を他人にうりあたへければ、夜な夜な…
『今昔百鬼拾遺』より「燈台鬼」 軽大臣遣唐使たりし時、唐人大臣に唖になる薬をのませ身を彩り頭に燈台をいたゞかしめてお燈台鬼を名づく その子弼宰相入唐して父をたづぬ 燈台鬼涙をながし指をかみ切り血を以て詩を書して曰、 我元日本華京客、汝是一家同…
『今昔百鬼拾遺』より「彭候」 千歳の木には精あり 状黒狗のごとし 尾なし 面人に似たり 又山彦とは別なり 彭候は中国に伝わる樹の妖怪。というか精霊。 日本の木魅(こだま)と同じように、千歳の木が生み出す精霊であるという。このため、木魅と同一視され…