鼬(てん)
『画図百鬼夜行』より「鼬」
まず最初に、本来テンは漢字にすると「貂」であるが、石燕の描いたテンはイタチが長い年月を生き、テンへと妖怪化したものであり、「鼬」と書いて「テン」と読んでいることに注意。
いまいちポピュラーではないが、三重県では「狐七化け、狸八化け、貂九化け」と言い、なんと狐狸よりも化けるのがうまいとされている。
因みに↑の絵で鼬達が積み重なっているのは、炎を現すものであり、鼬が絵のようになって現れた家は必ず火災に遭うと恐れられていた。らしい。
関係性は判らないが、このように動物が梯子のように積み重なる妖怪は他にもいる。鍛冶婆とか、小池婆とかもその類である。
「そういう習性がある」というよりは、「そういうイメージ」なのだろうと思うが、どういう風にイメージが飛躍して組体操するのかは僕はわからない。