お菊虫(おきくむし)
『絵本百物語』より「お菊虫」
お菊虫は、皿屋敷伝説などで有名な(後述)お菊が虫になったとされる妖怪。
皿屋敷のお菊とは――
屋敷に皿洗い担当で奉公していたお菊という娘が、ある日皿を一枚割ってしまう。そのせいでお菊は指を切り落とされた末に監禁され、怨みを抱えたまま井戸に身を投げて死んでしまう。
以降その井戸からはお菊の幽霊が現れ、夜な夜な皿の枚数を数えるのだと言う。
さらに、お菊は皿を九枚まで数え、九枚目を数える声を聞いてしまった者は死んでしまうとも伝わる。
――お菊の皿屋敷は落語や戯曲にもなっていて、バリエーションは様々である。
『絵本百物語』に描かれている「お菊虫」は、その皿屋敷のお菊が、霊としてその場に留まり続け、さらには虫へと姿を変えてしまったもの。
また、『絵本百物語』の「お菊虫」の項にはカニへと化けた平家武者の怨霊の話も書かれており、「カニに化けちゃうなんて平家も愚かなヤツが多かったんだね」なんて皮肉っぽく書かれている。虫に化けたお菊はどうなの?
画中解説文
皿屋敷のことは、犬うつ童だも知れゝばこゝにいはず。
うぃき訳
皿屋敷の事は犬でも子供でも知ってるからここでは言いましぇーん。