妖怪検定対策~出典まとめ編~
出典史料別妖怪まとめ
さぁ始めましょう誰トク妖怪検定対策特集でございます。
検定受けない方にとっては何の意味もありませんが、「なんかしらんが妖怪バカ達が集うそんな妖しい検定があるんだなぁ」ぐらいに思っていただいてそっ閉じして頂ければ幸いです。
とっかかりとしまして、今回は『図説 日本妖怪大全』の中から、出典史料の書かれている妖怪をまとめてピックアップします。
これはですね、もし出題された妖怪が妖怪大全内で出典史料が明記されていたら、ほぼ間違いなく検定本番でも出典史料を選ぶ問題が出ると思っていいかと思います。
つまり、これは覚えておけば確実に点数を底上げできると思うのです。
それに、大体400ぐらいの妖怪が載っている『日本妖怪大全』の中でも、出典史料が明記されている妖怪はそんなに多くありません。
これは最初の挑戦としてはうってつけな、ウォーミングアップな対策と言っていいのではないかと思います。
注意点としては、とある妖怪紹介の項であっても、違う妖怪に話が及ぶことが『図説 日本妖怪大全』ではよくあります。
で、その違う妖怪の出典史料が書かれていたりもするので、非常にややこしいです。
じゃあそれは無視していいか? というと、それは正直わかりません。案外意地悪な部分から出題されたりするので、覚えておくに越したことはないでしょうから、そこは解りやすくその旨を書きたいと思います。
ではでは、『図説 日本妖怪大全』掲載順に列挙していきます。このブログでも紹介済みの妖怪は、リンクも張るのでどうぞよろしく。
悪鬼(あっき)――『日本法華験記(にほんほっけけんき)』にその記載がある。
雨女(あめおんな)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』という本に雨女についての記載がある。
足長手長(あしながてなが)――『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』に載っている。
悪路神の火(あくろじんのひ)――『本朝奇跡談(ほんちょうきせきだん)』に記載がある。
天邪鬼(あまのじゃく)――『古事記(こじき)』、『万葉集(まんようしゅう)』にもその名が出てくる。
異獣(いじゅう)――『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』に目撃譚が記されている。
海女房(うみにょうぼう)――『大和本草(やまとほんぞう)』に記載がある。
海人魚(うみにんぎょ)――『洽聞記(こうもんき)』に記述がある。海人魚に近いかも知れない、と前置きされて『徂異記(そいき)』という書物の名前も出てくる。
桂男(かつらおとこ)――『万葉集(まんようしゅう)』に近い記述がある。
がしゃどくろ――『日本霊異記(にほんりょういき)』にどくろの恩返しの話が載っている。
加牟波理入道(がんばりにゅうどう)――『古今百物語評判(ここんひゃくものがたりひょうばん)』に厠の神、紫姑神についての記述がある。
隠れ婆(かくればばあ)――『妖怪談義(ようかいだんぎ)』にも類似妖怪の記述がある。
火車(かしゃ)――『因果経(いんがきょう)』にも記述がある。
川熊(かわぐま)――『民間信仰辞典(みんかんしんこうじてん)』には熊を神聖視する記述がある。
川男(かわおとこ)――『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』、『和訓栞(わくんのしおり)』にも記述がある。
かまど神(かまどがみ)――『民間信仰辞典(みんかんしんこうじてん)』に記述がある。
傘化け(かさばけ)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に「骨からかさ」という妖怪がいる、と書かれている。※これは鳥山石燕の『画図百鬼夜行』の事を指しているものと思われる。
金霊(かねだま)――『兎園小説(とえんしょうせつ)』に記述がある。
川獺(かわうそ)――『妖怪談義(ようかいだんぎ)』にも記述がある。
旧鼠(きゅうそ)――『源平盛衰記(げんぺいせいすいき)』に鼠の怪についての記述がある。
清姫(きよひめ)――『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』、『今昔物語(こんじゃくものがたり)』などに話が載っている。
麒麟(きりん)――『延喜式(えんぎしき)』に記述がある。
黒髪切り(くろかみきり)――『半日閑話(はんじつかんわ)』に記述がある。
倉ぼっこ(くらぼっこ)――『妖怪談義(ようかいだんぎ)』に記述がある。
ケンムン(どうしても漢字が変換できなかったのでこれで。妖怪大全ではけんもん、となっている)――『河童の世界』に記述がある。
木の葉天狗(このはてんぐ)――『諸国里人談(しょこくりじんだん)』に記述がある。
狐者異(こわい)――『絵本百物語(えほんひゃくものがたり)』に載っている。
古籠火(ころうか)――『怪談老の杖(かいだんおいのつえ)』に似たような怪の話が載っている。
山霊(さんれい)――『甲子夜話(かっしやわ)』に記述がある。
皿かぞえ(さらかぞえ)――『番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)』関係の妖怪である。
しばがき――『妖怪談義(ようかいだんぎ)』に記述がある。
樹木子(じゅぼっこ)――『捜神記(そうしんき)』に木の怪の話がある。
邪魅(じゃみ)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に載っている。※これも『画図百鬼夜行』のこと。
敷次郎(しきじろう)――『妖怪学(ようかいがく)』に鉱山に出る妖怪についての記述がある。
人面瘡(じんめんそ)――『お伽婢子(おとぎぼうこ)』に話しが載っている。
絡新婦(じょろうぐも)――『賢淵の伝説』などと言われる。
正吉河童(しょうきちがっぱ)――『河童の世界』に記述がある。
人面樹(じんめんじゅ)――『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』に記述がある。
高坊主(たかぼうず)――『百物語評判(ひゃくものがたりひょうばん)』に記述がある。
畳叩き(たたみたたき)――『筆のすさび』に記述がある。
狸囃子(たぬきばやし)――『妖怪談義(ようかいだんぎ)』に記述がある。
提灯お岩(ちょうちんおいわ)――『四谷怪談(よつやかいだん)』のお岩さん。
力持ち幽霊(ちからもちゆうれい)――『四不語録(しふごろく)』に記述がある。
テッチ(てっち)――『日本怪談集』に記述がある。
手洗鬼(てあらいおに)――『桃山人夜話』に載っている。※これは『絵本百物語』のこと。
泥田坊(どろたぼう)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に載っている。※これも『画図百鬼夜行』のこと。
嘗女(なめおんな)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に載っている。※これも『画図百鬼夜行』のこと。
二恨坊の火(にこんぼうのひ)――『本朝故事因縁集(ほんちょうこじいんねんしゅう)』に記述がある。
塗壁(ぬりかべ)――『妖怪談義(ようかいだんぎ)』に記述がある。
鵼(ぬえ)――『妖怪出現年表(ようかいしゅつげんねんぴょう)』、『鵼退治』などに記述がある。
化け火(ばけび)――『周遊奇談(しゅうゆうきだん)』に記述がある。
畑怨霊(はたおんりょう)――『民俗学全集』に記述がある。
化け銀杏の精(ばけいちょうのせい)――『蕪村妖怪絵巻』から絵を真似た、と書かれている。
火の車(ひのくるま)――『宇治拾遺物語(うじじゅういものがたり)』に話が載っている。
ひょうとく――『河童の世界』に記述がある。
一つ目小僧(ひとつめこぞう)――『一つ目小僧その他』、『怪談老の杖』に記述がある。
風狸(ふうり)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に載っている。※これも『画図百鬼夜行』のこと。
文車妖妃(ふぐるまようひ)――『徒然草』に元ネタが、『百器徒然袋(ひゃっきつれづれぶくろ)』には妖怪として載っている。
箒神(ははきがみ)――『民間信仰辞典』に記述がある。
飯食い幽霊(めしくいゆうれい)――『狗張子(いぬはりこ)』に記述がある。
魍魎(もうりょう)――『モウリョウ信仰の基盤』から一文を引用。
目々連(もくもくれん)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に載っている。※これも『画図百鬼夜行』のこと。
山犬(やまいぬ)――『宇和地帯の民俗』に記述がある。
夜行さん(やぎょうさん)――『神話伝説辞典』にも記述がある。
やんぼし――『妖怪談義』、『日本国語大辞典』にも記述がある。
疫病神(やくびょうがみ)――『大語園(だいごえん)』に記述がある。
八咫烏(やたがらす)――『古事記』に出てくる。
山操(やまわろ)――『想山著聞奇集(そうざんちょもんきしゅう)』に記述がある。
轆轤首(ろくろくび)――『百物語評判』に話が載っている。
輪入道(わにゅうどう)――『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)』に載っている。※これも『画図百鬼夜行』のこと。
いかがでしょうか。
「そんなに数は無いので……」なんて言っておきながら意外と(どころかめちゃくちゃ)多くてこの記事止めようかぐらいに本気に苦戦しました。
でも、ここに出た妖怪名と、史料名をセットで暗記しておけば、必ず役に立つはずです。
いくつか同じ書もあるので、セットで覚えちゃうといいでしょう。
とにかく、検定対策一発目で軽やかにいきたかったのにあまりにもヘビーでうへぇとなるかも知れませんが、『図説 日本妖怪大全』で細かな所を覚えつつ、ここでまとめた書名も覚えておくと良いかと思います。
では、僕の気力がまた沸いた時、次の対策記事を書きますので、需要は少ないでしょうけど、首をロクロクビにして待っていてもらえればと思います。