髪鬼(かみおに)
『百器徒然袋』より「髪鬼」
身体髪膚は父はゝの遺躰なるを、千すじの落髪を泥土に汚したる罪に、かゝるくるしみをうくるなりと言ふを、夢ごゝろにおぼへぬ
毛だらけ過ぎて髪なんだか鬼なんだか毛なんだかよくわからない妖怪。
石燕の解説文によれば、どうやら恨みなどが髪の毛に籠るもののようで、長く伸びた髪の毛をいくら切っても延々と生え続けてくるとある。
まるで髪の毛が鬼の角のように立っていることから、この名前が付いたのだろう。
カツラを作る髪の毛を提供したら随分儲けられそうな気もするが、髪鬼と化した本人はそれどころじゃないのだろう。せめてドレッドにでもすれば少しは鬱陶しさと洗髪地獄から解放される……かもね。