窮奇(かまいたち)
『画図百鬼夜行』より「窮奇」
窮奇は、『画図百鬼夜行』で石燕が描いた妖怪。鎌鼬とも書き、そっちの方が一般的。
石燕の描いた「窮奇」は、中国に伝わる「窮奇(きゅうき)」という妖怪が、風神としての側面も持っている為、鎌鼬と同一視して描いたものと思われる。
日本で伝わる鎌鼬は、主に雪国での伝承が多く、気付けば傷が出来ている不思議な風として伝わっている。
時に鎌鼬に切られた傷口は骨が見える程の深傷の場合もあり、死に至る場合もある。
なぜイタチなのかというのは、元はこの現象を「構え太刀(かまえたち)」と呼んでいたからとするものが濃厚。中国の「窮奇」に原型を求める考えもあるが、中国産窮奇はイタチというか牛なのでちょっと無理がある。
正体に関しては、先に述べたように雪国に主に伝わっていることなどから、凍傷やあかぎれが原因とされており、僕も「あぁなるほど」なんて思ってしまったが……いや、そんなはずはない。正体もクソも、窮奇は窮奇です。