火間蟲入道(ひまむしにゅうどう)
『今昔百鬼拾遺』より「火間蟲入道」
人生勤にあり
つとむる時はとぼしからずといへり
生て時に益なく、うかりうかりと間をぬすみて一生をおくるものは、死してもその霊ひまむし夜入道となりて、燈の油をねぶり、人の夜作をさまたぐるとなん
今訛りてヘマムシとよぶは、へとひと五音相通也
石燕の解説文も、無職の方には耳が痛いであろう一文から始まっている。
「人生勤にあり」……だそうだ。
生前に怠け者であった人間が死に、化けた妖怪。
徹夜で働いている者の元に現れては電気を消したりと邪魔をする最高にウザい妖怪。
どのように産まれた妖怪であるかは諸説あるが、僕は多田克己の唱えた火間蟲入道ゴキブリ説が一番それっぽいと思っている。
確かにゴキブリは現代でも徹夜組の前に突然現れては邪魔をする。
兎にも角にも、生前に怠けてたのかどうかは知らないがこういう迷惑のかけかただけはしないで欲しい。聞いてますか! 火間蟲入道さん!!