髪魚(はつぎょ)
髪魚
『絵本小夜時雨』より
人面魚がブームになったこともあるほど、案外人の顔のように見える模様を持つ魚というのはいるものである。
僕も何度が鯉の頭に人面のような模様が付いているのを見たことがある。
しかし今回紹介するのは、髪魚。
人面であることと、それ以上に不気味なのが頭髪があるというのだ。
人魚とも関係していると思われるこの髪魚は、多くの伝承が残っている。
寛政12年、大阪は西堀付近で男が不気味な魚を釣り上げた。
全長1メートル弱、ボラのような鱗を持ち、人のように目鼻口があり、赤ん坊のような泣き声をあげたのだという。
他にも、近江にて人のような魚がいるという噂が起ち、ある漁師が釣り上げに行ったところ、確かに釣り上げた魚は人とも魚とも見分けのつかない不気味なものだったのだという。
更に更に、奥逸見というところにある大きな池で、白い鱗にらんらんと光る目を持ち頭髪がある魚が釣り上げられた。
ある男がそれを持ち帰りたらいに入れて蓋をしておいたのだが、その夜夢に自称池の神が現れ、「わしは池の神じゃ。なぜお前はわしの身内を閉じ込めるような真似をするのじゃ」と怒られた。すると翌朝、たらいの蓋が開いており、中に入れていた筈の魚はすっかり消えていたのだという。
さて今や我が国での代表的な人面魚と言えば、シーマンで異論はないだろう。
僕はかなりのセガっ子だったが、ドリキャスは持っていなかったのでシーマンはやれなかった。それでもものすごくやりたかった。PS2で出た時にはもう興味はなくなっていた。
なぜこんなきもい人面魚が人気になったのかは今もって不明だが、妖怪にも人面系はいるので何か魅力があるのだろう。
しかし画像のシーマンは髪ではなくミミズのようなナニカが生えている。やっぱりきもい。
『人間のエゴはさ、自分と合わない、というだけの理由で、そいつのことを「嫌なヤツ」なんて呼んで人に同意を求めたり、うわさを流して足を引っ張ろうとすることだ』シーマン名言集より