黒髪切り(くろかみきり)
歌川芳藤 画『髪切りの奇談』
黒髪切りは髪切りと同じとも言われるその名の通り人の髪を切り落とす妖怪。
江戸時代には多くの「黒髪切りによる被害」の報告が残っているが、どれもその正体を見た者はいない。
また、暗闇で人の髪を切り落としたり、寝ている人の髪を切ったりしたらしく、暗闇、髪、夜というイメージの連想から「黒髪切り」と呼ばれるようになったのではないかと思う。
江戸時代に伝わる被害報告の一つに、夜道を歩いていた金物屋の娘が、家に帰ると髪の毛が切られてなくなっていることに気付き、そのまま気絶してしまった話が残っている。
時代劇の描写でも解るように、その時代の人々にとって髪を切られるという事は結構深刻な事であり、こんな妖怪になったのだろう。
とはいっても、現代で同じような事が起こったらやっぱり問題にはなると思うが。
ただ、僕のような金欠セルフカット組にとってはぜひとも捕獲して飼い慣らしたい妖怪の一つでもある。
寝ている隙に散髪が終わってたらもう最高。