ばけの皮衣(ばけのかわごろも)
『百器徒然袋』より「ばけの皮衣」
三千年を経たる狐、藻艸をかぶりて北斗を拝し、美女と化するよし、唐のふみに見へしはこれなめりと、夢のうちにおもひぬ
ばけの皮衣は、三千年を生きた狐が美女に化けた妖怪。
解説文は、
「三千年を経たる狐、藻艸をかぶりて北斗を拝し、美女と化するよし、唐のふみに見へしはこれなめりと、夢のうちにおもひぬ」
とある。
絵には籠と、従者のような男達も見えるが、皆狐なのだろうか?
とかく美人に化けるのに定評のある狐であるが、本場中国においてもそれは同じなようだ。
現代で狐が美女に化けた場合、どの程度の美女となるのか実に気になる。
ただ、石燕の描いた美女も、わずかに背中の毛が濃いような気がするのが残念。
自分の恋人に狐を選ぶ際は、永久脱毛も視野に入れた寛大な心で付き合っていきたいものである。
ーーなんて寝ぼけた頭でおもひぬ。