水虎(すいこ)
『今昔画図続百鬼』より「水虎」
水虎はかたち小児のごとし
甲はさんぜんこうのごとく、膝頭虎の爪に似たり
もろこし涑水の辺にすみて、つねに沙の上に甲を曝すといへり
水虎は中国に伝わる水辺に生息する妖怪。日本に伝わった際、性質が似ていることから河童と同一視されたりしたが、伝承だけ見ればこの「水虎」の方が河童よりもずっと獰猛で危険。
全身が硬い鱗で覆われており、虎のような爪を持ち、膝頭にも虎の爪に似た鋭いものがついている。
石燕は画中解説文にて水虎の鱗をセンザンコウのようだ、と書いている。センザンコウとはアルマジロに似た鱗に覆われた動物で、今も昔も名前はセンザンコウである。そんな動物がいるなんて知らなかった。
因みに、水虎は河童の親分格であるという説もある。河童と異なり水虎が人を殺すのは、水虎が龍宮に仕えていて、人を殺すことで地位をあげられるから……らしい。
なんという水虎伝。