夢ある妖怪「ケサランパサラン」
ケサランパサラン
白い毛玉のようなナニカで、フワフワと宙を舞っていたりして、人々に幸運をもたらすと言われている「ケサランパサラン」。
江戸時代から存在したと言われ、なんでも百科事典的な『和漢三才図会』にも「へいさらばさら」という名で描かれている。
昭和にも一度大ブームが起こり、なんとか捕まえようとする人々で溢れた。
生きているので、飼育方法も存在し、穴の開いた桐の箱に入れ、おしろいをエサとして与える。運が良ければ増殖することもあったという。
正体はなんなの?
ほんとに生きてるの?
っていうか妖怪なの?
様々な疑問が湧いてくると思うが、なんとこの現代においても明確な正体は解っていない。珍しくwikipedia様も言葉を濁している。
当然、野暮な正体説は無数にあり、「ただの毛玉」「動物の毛玉」「タンポポの綿」などなどがある。
――ここでケサランパサランを妖怪として紹介したのは、なんというか、嬉しかったからである。
なんだかわけのわからんフワフワした「ケサランパサラン」は、その正体が何なのか? と考えるのではなく、「ケサランパサラン」なんだよ! と主張している。
ほとんどの怪異が科学などで解明され、「答え合わせ」がされちゃう中、未だよくわからんモノとして存在し続けているケサランパサランはとても貴重な生ける妖怪だと思うのである。
毛玉かも知れないし、埃かも知れないけれど、その白くってよくわからんものは「ケサランパサラン」でいいじゃん。という、曖昧な、まさに妖怪的な雰囲気が最高である。
白くてフワフワした妖しい動きをするモノを見つけたら、穴の開けた箱に入れ、おしろいを与えてみて欲しい。増殖するかも知れないし、大きくなるかも知れない。ソレはあなたに幸運をもたらしてくれる筈。それはきっと「ケサランパサラン」である筈。
そろそろケサランパサランというワードがゲシュタルト崩壊する頃合いだと思うのでこの辺で。
尚、冒頭の画像はケサランパサランじゃないです。ウソつきです。ぬいぐるみの足です。
ネタバレしたってケセラセラ。
でもネタバレするまではケサランパサラン。
そういうことでしょう。