八咫烏(やたがらす)はなぜ三本足なのか
八咫烏(やたがらす)
サッカーのシンボルマークとしても有名な八咫烏。
日本神話に出てきた神武天皇様道案内役のカラスであり、妖怪というよりは神(の使い)。
八咫烏の八咫は、長さを現す意味なのだが、八岐大蛇や百鬼夜行と同様、単に「めっちゃでかい」ほどの意味である。
ただ面白いのが、日本神話上の八咫烏は「三本足」であるなどとは書かれていない。
この辺りの事情は、もはやこの妖怪図鑑を運営する上で慣れっこになってきたが、やっぱりお隣さんの中国の影響がある。
日本神話上でも、八咫烏は太陽の化身(故に道案内に明るい役割で日本神話に出てきたんだろう)で、お隣中国の中国神話には三足烏(さんそくう)という太陽を象徴するカラスがいる。
どちらが先かは解らないが、同じ太陽に関連するカラスが混同しないわけがなく、日本でも八咫烏はいつからか三本足となっていた。
中国で三足烏が三足なのは、陰陽思想で陰が偶数、陽が奇数であるため、太陽と重ねて三本足なのだという。一本じゃダメだったのか。
――が、興味深いのは、アジア圏にとどまらずエジプト神話、ギリシャ神話にも三本足のカラスが登場すること。
世界中で三本足のカラスが神聖視されているというのはなんともロマン臭がしてきて良い。
カラスが太陽と結びつく理由は、最も有力な説が「太陽黒点」とカラスの漆黒との関係。確かに太陽を遮るかのように空を舞うカラスが黒点のように見えたり……するのか?
また、カラスは人間より遥かに目が良い。
毎朝ゴミ捨て場にゴミを捨てる際、カラスはいないか? とキョロキョロしてから捨てても、しっかり散らかされるのだから本当なのだろう。
余談だが、冒頭に使用した画像は陸上自衛隊の中央情報隊の部隊章である。
この中央情報隊は防衛大臣直轄の部隊であり、それまでしばしあった「作戦情報の混乱」や「伝達・共有速度の差異」などを無くし、作戦情報を一元管理することを主目的として創設された情報部隊である。
全部隊を円滑かつ正確な情報で導く部隊という意味できっとフルアーマー八咫烏が部隊章になっているのだろう。
GSDFはGround Self Defense Forces。上部に書かれたMilitary Intelligence Commandは軍事情報司令部。つまり陸上自衛隊軍事情報司令部という意味。
全然妖怪と関係ないけれどもなんかカッコイイ。