妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

モクリコクリとむくりこくり

モクリコクリ(むくりこくり)

蒙古高句麗と当て字する事もあるモクリコクリは、当て字を見ると解るように鎌倉時代のモンゴル帝国と、その属国であった高麗(こうらい)国の日本侵略に関係する言葉である。

鎌倉時代にはモンゴル帝国の事を「もくり」あるいは「むくり」と呼んでおり、襲撃が起きてからは子供をおどかす際の文句として「もくりこくりが来るぞ!」と言っていたらしく、それがいつしか妖怪のような形を持ってしまったのだろう。

 

同じ意味の言葉ではあるのだが、紀州(現三重とか和歌山の辺り)にはモクリコクリという名前の海の妖怪がいて、ぬらりひょんと似た特徴で伝わっているが、それもやはり蒙古襲来の際に水死した者の霊、とされているので辿れば同じ、と言えるだろう。

 

――さて。熊倉隆敏による妖怪漫画の『もっけ』では、このモクリコクリを扱ったエピソードがあり、蒙古高句麗という意味の他に、「剥ぎ取る」「剥く」という意味も当然あるだろう、と爺ちゃんが言っている。

このエピソードはかなり面白く、妖怪達がモクリコクリに皮を剥いでもらって「ぎんもぢいいいいい!」するのだが、その様は「モクリコクリ」という言葉の語感からとてもしっくりくる描写に思えた。

また、僕のトラウマ本である村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』で、ノモンハン事件に纏わるロシア人将校がモンゴル兵に命じて行われる皮剥ぎ拷問の描写があり、その事もまた思い出してしまった。あれは本当に怖かった。

 

……と、ここまで書いて世界中の拷問を調べていたら大層気分が悪くなったので話を変える。

拷問というのはその方法を見ているだけでも精神的に参る。

今ふと思いついちゃったのだが、僕はいつも椅子に座っていると尻が痛くなると書いた事がある。

例えば、一週間全く姿勢を変えることを許されず、椅子に拘束され続ける刑があったとしたら……いやまじで発狂する。

 

 

尚、僕にはトラウマクロニクルはあるが、随分昔にモンゴル人女性に恋をしたことがあったりする。

国と言語の壁を越えて告白したが「彼氏いるんで無理です」とあっさり流暢な日本語でフラれた夏の日のおもひで。

 

モクリコクリ様、僕はあの頃から一皮剥けたでしょうか?