妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

つい先日吉祥寺まで行ったので『月百姿』より「むさしのゝ月」

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『月百姿』より「むさしのゝ月」

 

何度も書いたとは思うが、僕は吉祥寺までチャリで行ける範囲に住んでいる。

吉祥寺と言えばよく「住みたい街ランキング」の一位になってたりと、やけに評判がいいが正直僕はそんなに好きでもない。僕の住む調布の方がよっぽど曖昧で妖怪っぽくて好きである。水木先生の妖怪パワーも貰えるし。

吉祥寺には、大体が本を買いに行くぐらい。

で、引っ越してきたばかりの頃には、無知な僕は「吉祥寺市」というのがあるものと思い込んでいた。

しかし吉祥寺は武蔵野市である。

――と、いうわけで今日の月物落としは月岡芳年の『月百姿』より「むさしのゝ月」。

 

絵に描かれているのは河原の狐。何をしているのかとよく見ると、水面を鏡代わりにして何やらおめかしをしているようだ。

流石人に化けるのが上手く、特に美女に化けさせたら天下一と言われる狐だけあってトランスフォーム前でも準備を怠らないのだろう。(化け狐特集、よろしくね!)

成程、この後吉祥寺でデートだ。

 

――と言いたいところだが、武蔵野というのは勿論武蔵野市とは意味が異なり、関東の一部(それもかなり広い)を指す。

実はその線引きは明確に定義されていないのだが、とにかく武蔵野と言えば「原っぱ」と、「美しい月」というのが古来からのイメージだったようだ。

なるほど芳年の描いた絵もそのイメージを踏襲しているように見える。

(ただ、芳年が描いた明治時代には、もう環境破壊が随分と進んでいたらしい)

 

ところで、吉祥寺には吉祥寺なんて名前のお寺は存在しないことをご存知だろうか?

それもそのはず、吉祥寺というのは江戸時代には水道橋近くにあった。それが江戸の半分を焼いたとされる「明暦の大火」によって焼失し、門前町もことごとく焼かれてしまった。

それを機に幕府は大再生計画を発動し、その際に元吉祥寺門前町にいた人々が現在の武蔵野市辺りに新居を構え、その場所は「吉祥寺村」となった。

そんなわけで今の吉祥寺に吉祥寺なる寺は存在しないのである。

 

 

尚、天下のwikiに「住所が吉祥寺じゃないのに吉祥寺の物件です! って売り出してる不動産屋多数」みたいなことが書いてあった。

近けりゃそこまで文句ないだろうが、住んでみて住所が違ったら怒りが込み上げてくるだろう。

 

なぜなら

 

「三鷹の激安賃貸物件!」

の文句に騙されて見事にギリギリ調布市に住むことになった僕が言うのだから。

(三鷹市の住所になるまで1mぐらいの距離。ふざけんな三鷹が土地ごと来い!)