蓋元締(ふたもとじめ)
束酢子太郎氏提供「蓋元締」
蓋元締は、ペットボトル等のフタがゆるんでいると、きつ~く締めて消えて行く妖怪。
元は明治時代の千葉県にある某酒蔵に於いて、元締めをしていた男が梯子を使って味見をしていた際に樽の中に転落し、そのまま溺れ死んでしまい、その無念が現代に妖怪としてよみがえったのだという。
最期こそ情けないものだが、その元締めは責任感も強く、仕事では妥協しないことで有名だったらしい。それ故に中途半端に締まった蓋が許せず、いつでもどこにでも梯子を担いで現れ、蓋をキツキツにして帰って行く。
生前もシャイだった男のようで、正面から蓋元締の顔を見た者はいないらしい。
極々稀に、蓋を締める途中で足を滑らせ、飲料の中に落ちそうになる蓋元締の最期のフラッシュバック的ヒヤっとする瞬間を見れるとか見れないとか。
ペットボトルだけでなく、ビンでも調味料でもなんでも、蓋のあるものならなんでもキツキツに締めて行くので、意外と遭遇する機会の多い妖怪だとも言われている。