妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

青行燈(あおあんどん)

『今昔百鬼拾遺』より「青行燈
『今昔百鬼拾遺』より「青行燈」
 
燈きえんとして又あきらかに、影憧々としてくらき時、青行燈といへるものあらはるゝ事ありと云。むかしより百物語をなすものは、青き紙にて行燈をはる也。昏夜に鬼を談ずる事なかれ。鬼を談ずれば怪いたるといへり。
 
青行燈は、青い紙を貼り付けた行燈の後ろに立つ、恐ろしい鬼女の妖怪。
今でも百物語を薄暗い部屋ですることはあるかと思うが、かつては青い紙を貼り付けた行燈の前で語り合うことも多かったようだ。
石燕の解説文に依れば、そのように百物語を語り合っているとたまにこの「青行燈」が現れることがあると言う。
え、こんな鬼女現れたら最高に盛り上がっちゃう……。
また、石燕は「昏夜に鬼を談ずるなかれ。鬼を談ずれば怪いたるといへり」と、ふざけ半分で百物語すると怪異がマジに起こるぞ! と書いている。
 
他の説として、石燕が描いたこの絵には裁縫道具などもあることから、この絵は実は女の嫉妬心を描いているものとも言われる。
 
妻に内緒で好みの女性を誘い、百物語をしていた。
百物語も九十九話目が終わり、さぁもうお開きにしようかというところでフッと行燈の火が消え、そこには鬼の形相で妻が立っていた。
――うん、凄くありえるし凄く怖い。