妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

燈台鬼(とうだいき)

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『今昔百鬼拾遺』より「燈台鬼」
 
軽大臣遣唐使たりし時、唐人大臣に唖になる薬をのませ身を彩り頭に燈台をいたゞかしめてお燈台鬼を名づく
その子弼宰相入唐して父をたづぬ
燈台鬼涙をながし指をかみ切り血を以て詩を書して曰、
我元日本華京客、汝是一家同姓人
為子為爺前世契、隔山隔海変生辛
経年流涙蓬蒿宿、遂日馳思蘭菊親
形破他郷作灯鬼、争帰旧里寄斯身
 
燈台鬼は、生の人間が頭に燭台を載せ、人間燈台とさせられてしまった悲しい妖怪。
この燈台鬼の逸話はなかなかに惨いもので、石燕の解説にもそれが書かれている。
それによればーー
昔、日本から遣唐使が唐へ遣わされた。
しかし帰りが遅い事を心配した遣唐使の息子が、唐を尋ねて行くと、ある場所で人間燈台にされている男と出会った。燈台鬼と化した男は薬で喉を潰され声が出ず、涙を流しながら自分の指を噛み切り、血で文字を書いた。
それを見た遣唐使の息子は、なんとその燈台鬼が探していた実の父親であると気づく。
 
 
ーーなんと恐ろしい話。
詳細がわからないのだが、一体遣唐使の男はなぜそのような仕打ちを受けることになってしまったのか?
実に胸糞悪い逸話である。
 
パッと見で燈台の九十九神のように思っちゃうかもしれないが、燈台鬼はそんなユーモラスなモノではないのだ。
愕然!