日和坊(ひよりぼう)
『今昔画図続百鬼』より「日和坊」
常州の深山にあるよし
雨天の節は影見えず、日和なれば形あらはるゝと云
今婦人女子てるてる法師なるものを紙にてつくりて晴をいのるは、この霊を奉れるにや
日和坊は、石燕の解説によれば、常州(中国)の深山に現れ、雨が降っている際には姿を見せない妖怪――だとしている。
晴天をもたらす妖怪ではあるものの、一説には「魃(ひでりがみ)」と同じ妖怪であるとも言われており、そうなると単に晴れたぜヒャッハー! とも言ってられなくなる。
ところで、晴れを呼ぶモノとして、この石燕の描いた日和坊、何かに似ているとは思わないだろうか?
石燕の解説文を見ると、「今婦人女子てるてる法師といふものを紙にてつくりて晴をいのるは、この霊を祭れるにや」とある。
そう、この日和坊こそ親しみのある「てるてる坊主」の原型なのだ。
てるてる坊主を作った際には、この日和坊の事も少しだけ思い出してあげれば晴れる確率もグーンと上がるに違いない。