馬肝入道(ばつかんにうどう)
『化け物尽くし絵巻』より「馬肝入道」
像のような耳に充血した目は、もはやこの『化け物尽くし絵巻』ではお馴染み。
この馬肝入道は、二つの顔を持つ妖怪である。
一つは、「死に至る毒を持つ」という言い伝えがある馬の肝臓の如く、馬肝入道と出会っただけで死んでしまうという恐ろしい性質。
もう一つは、ツルドクダミの根(馬肝石とも呼ぶ)の持つ漢方薬の如く、病に苦しむ人を瞬時に治してしまうという一面である。
馬肝入道と出会ってしまったら、とりあえず病気のふりをしておいた方がいいかも知れない。しかし病気だからと言って治してくれる気分かは解らないので、とにかく会わない事を願うのが一番の対処法であるのは間違いない。