狐火(きつねび)
『画図百鬼夜行』より「狐火」
日本各地に伝わる代表的な怪火の一種である狐火。
狐の吐息である、という説の他、狐が尻尾を打ちつけて火を灯している等の説もある。鳥山石燕が描いた狐火では、丁度火が狐の口から吐いたものと尻尾の先にあるものの両方に取れる描き方をしているのも、これら両方の説を現したものだと思われる。
狐火で特に有名なのが、東京北区の王子稲荷で、そこは関八州の稲荷の頭領が住むらしく、毎年大晦日になると官位を授けてもらうべく沢山の狐達が集い、無数の狐火が見られると言う(あくまでも過去の話)。
狸や獺などよりも怪火においても圧倒的シェアを誇る狐様。あなおそろしや。
ふざけた妖怪ばかりが描かれていることで有名な(悪意無し)『化け物尽くし絵巻』にも、唯一まともで有名な怪異として「狐火」が描かれている。
『化け物尽くし絵巻』より「狐火」