古山茶の霊(ふるつばきのれい)
『今昔画図続百鬼』より「古山茶の霊」
ふる山茶の精怪しき形と化して、人をたぶらかす事ありとぞ
すべて古木は妖をなす事多し
老いた山茶(ツバキ)の木に霊が宿り、人をたぶらかしたりする妖怪。
石燕の解説文にも、「すべて古木は妖を成すこと多し」と書いてあり、ツバキに限らず長い年を経た植物は妖怪化する可能性がある。
ツバキは、花弁をはらはらと落とすのではなく、まるごとポロっと落ちる珍しいものであり、その為現在でも死を連想するなどとしてお見舞いなどには不向きとされている。そういったイメージは昔からのもののようで、怪異や妖怪と結び付けられることも多かったようだ。
因みに、山茶と書いてツバキと読んでいるのは、まず第一に石燕が描いたのがツバキ科のみんな知ってるサザンカを描いたものである可能性(サザンカは山茶花と書く)、あとはツバキの漢名が山茶であることから、の二つが考えられる。両方かもしんないけど。
とにかく、高齢者同様、高樹齢木もいたわっていきましょう。さもないと化けて出てきちゃうかも。