骨傘(ほねからかさ)
『百器徒然袋』より「骨傘」
北海に鴟吻と言へる魚あり
かしらは龍のごとく、からだは魚に似て、よく雲をおこし雨をふらすと
このからかさも雨のゑんによりてかゝる形をあらはせしにやと、夢のうちにおもひぬ
骨傘は唐傘の付喪神化した妖怪。
骨傘と書いて「ほねからかさ」と読むのに要注意。
骨ばかりになった古い唐傘がなると言い、踊り出すとも言われる。
「お、雨が降ってきたね。……良かったら、入るかい?」
なんて爽やかに開いた傘が妖怪骨傘だった時なんかもう、女性はイチコロである。なにしろシブい。
石燕は解説文にて鯱(しゃち)と骨傘との関係を夢心地に書いている。因みに鯱は海のシャチじゃなくてシャチホコのシャチ。なんだか違うらしい。