一目入道(いちもくにゅうどう・ひとつめにゅうどう)
一目入道
この妖怪は割とややこしい。
まず、いつもの通り版権関係で絵が使えないが、水木先生が書いた一目入道(いちもくにゅうどう)をググって見てみてほしい。
そう、どう見ても河童である。
そもそもの一目入道は新潟県の加茂湖に棲んでいたとされる水神で、馬にイタズラをしたりもするが、村人と上手くやっている伝承もある。
確かに河童みたいな特性は持っているし、水神だから河童でしょ? と思われちゃっても仕方ないのかも知れないが、肝心の「入道」要素がゼロなのはどうなんだ? と思う。
他のややこしい要素としては、ひとつめ入道は沢山いる――ということも挙げられる。
特に江戸時代の黄表紙や、稲生物怪録にも一つ目入道という名で出てくる。
『百怪図巻』にも、目ひとつ坊なる妖怪が出てくる。これに至っては意味だけ考えれば全く同じである。
しかし新潟に伝わる一目入道は伝統行事にもなっているし、民間信仰として古くから伝わっているからちょっと違うのだ。
因みに加茂湖の伝承では最後に一目入道が祀られるのは中野浦観音堂となっていて、この観音堂は地元で「ひとつめ観音」と呼ばれているらしい。
一体どうして加茂湖の水神が一つ目になってしまったのか? を探っていろいろ調べてみたが、わからなかった。
てっきり天目一箇神(あめのまひとつのかみ)を奉っている神社が近くにあるとかかなぁ、なんて安易に考えたがそれも違うっぽい。
いや待て。
まだいた。
百鬼夜行絵巻に、一目坊↓なる妖怪が確かいた。
……安定のコレジャナイ感。