あなたはどの地獄に逝きたい?【閲覧注意】
妖怪うぃき的地獄篇
↑六道絵
魑魅魍魎すら逃げ出したくなるであろう地獄。
妖怪だ幽霊だなんて甘いこと言ってらんないすさまじい世界がそこにはある。
だとしたら――
出来る限り生前から地獄に逝くような行為は避けておきたいところ。
そこで今回は、地獄がどんだけヤバイところかを紹介すると共に、当てはまるようなことをしていないかをじっくり考えて行いを改めて欲しいと思う。
さてまずはざっくりと地獄について説明しておく(ここでの地獄は、仏教上での地獄)。
よく輪廻転生という言葉を聞くと思うが、これは迷いのある六つの世界(六道)をぐるぐると回ってしまうことで、それは天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道に分かれる。
天道というのは天上にある幸せに満ちた世界であるが、六道の一つであることからも解るように、永遠の命があるわけでもなく、衰退は訪れる。しかし六道の中では一番ハッピーなのは間違いない。
次に僕等が生きる人間道。ご存知そこには多くの悩みや悲しみに満ちた、やはり迷いの多い世界である。
次に修羅道。これは帝釈天に弓を引く修羅となり、ひたすら戦いまくるまさに修羅の世界。
次が畜生道。動物となり食われたり踏みつぶされたり加工されたり養殖されたり、そりゃもう迷いの多い世界。
餓鬼道。地獄に近付いているだけあって、なかなか悲惨。腹が減るのに口がほんの少ししか開かなかったり、自分の脳味噌しか食べれなかったり、自分が産んだ子供しか食べれなかったりと、なかなか地獄色がある。
そして地獄。
これら六道の輪廻から抜け出す為に、仏教では悟りを得ようとするのである。
それが唯一輪廻転生からの解脱であり、すなわち人でもなく動物でもなく天人でもないものを目指しているのだ。深いのである。
人は死ぬと冥土に行き、奪衣婆と懸衣翁に服を剥がれたり、三途の川を苦労して渡ったり色々した後、閻魔王庁へと辿り着く。
そこには御存知閻魔様が座っており、あらゆる行いを調べ上げた資料があり、さらにハイテクな生前の行いを映し出す鏡まであり、罪状が決められる。
地獄も細分化されており、深くなるほどにキツさは増す。
それらは八つに分かれており、八大地獄と呼ばれる。
上から等活地獄・黒縄地獄・衆合地獄・叫喚地獄・大叫喚地獄・焦熱地獄・大焦熱地獄・阿鼻地獄。
では、あなたはどの地獄行きか、ちょっと見ていこう。
生前、ブーンと飛んできたゴキブリを踏みつぶしたりしなかっただろうか?
あるいは人を殺めるような恐ろしいことをしてはいないだろうか?
閻魔様、虫ぐらいいいですよね?
ダメ! 地獄行き!!
はい等活行きの皆様こちら。あらあらほぼみなさんいらっしゃって何より。
こちらの地獄では更に細かく分類されることになる。
牛や豚を殺しまくったり狸汁なんかを食べてしまった方は、釜で煮えていただく。
鳥やシカを殺した者には、高温の屎尿風呂で焼かれていただく。
他にもメニューは沢山。罪人同士で引っかき合ったり、
切り刻まれたり、
骨抜きならぬ骨だけにされたり……
ああ死んだ。よかった。これで楽になれる。
――なんて地獄で甘いこと考えるなかれ。
ニヤニヤと嗤う獄卒達が「カツカツ(活活)!」と唱えると、すぐさまあなたは赤ん坊の姿で甦ってしまうのだ!
閑話休題。
今紹介したのは、全て地獄の中でも最も軽い「等活地獄」でのこと。
全地獄で共通しているのが、物凄い長い年月、死と再生とを繰り返して苦しみ続けることになるということ。
この等活地獄ですらその期間は1,665,312,500,000年に及ぶ。もう無限でよくない?
さてまた閻魔様前。
生前、殺生と同時に、万引きなんてしてしまったりしたあなた。
閻魔様、万引きして父ちゃんにしこたま怒られたんで許してくれませんか?
ダメ! 地獄行きッ!
盗みまで働いたあなたは黒縄地獄へようこそ。糸ノコでビーンされたり、
ギーコギーコされたり、
灼熱の鉄鎖に追い詰められたり、
死亡確定な意味不明綱渡りさせられたり。
さてさてまだ地獄も序盤。
閻魔様、次の悪いヤツはコイツです。
コイツは嫁さんがいるのに浮気して毎晩朝帰り。そのくせ嫁さんの財布からお金は盗むは近所の猫は殺すはの極悪人。どうぞ地獄へブチ込んでやってくだせぇ。
ヨシ! 衆合地獄行き!
ソンナモノが付いてるからいけないんだと言わんばかりの急所一点刺しや、
尻から灼熱流し込みぃ、
上で誘惑する美女を目指してぶっ刺され、また下にいる美女目指してぶっ刺されるなかなか良いシステムな拷問を経て――
あーもうめんどくせぇから煮てしまえ。
では皆様お待ちかね、地獄の最下層へとご案内。途中の地獄はすっ飛ばしますが、とにかくどの地獄も大体きつそうなのでご安心ください。
閻魔様、コイツめは殺生、盗み、邪淫、加えて嘘はつくは酒を飲んで迷惑かけるわ幼女を強姦するわ両親を殺すわの超極悪人。コン畜生……いや、畜生道超えてるからコン地獄野郎めは、どうか最恐最悪な地獄へと落としてやってくだせぇ。
オケ! 阿鼻地獄行きッ!!
ようこそ阿鼻地獄へ。
地獄の最下層、極悪人限定のVIP地獄。
ココは最初っから凄い。
まず、二千年かけて灼熱の奈落へと落ちていく。ただただ落ちて行く。シンプルなほど苦しい。
そして落ち切ったら、灼熱の玉を飲み内臓から燃やされたり、
舌に草が生えるまで放置されて杭を打たれたり、
叩かれたり、
なんかいたり。
因みにこの阿鼻地獄は、682京1120兆年、魂すら消滅してしまうほどの歳月をかけて延々と苦しみ続けなければならない、まさに地獄なのである。
また、この阿鼻地獄に行く者に限り、火車によるお出迎えサービスがあったりする。
移動中も絶えず燃やされ続ける夢のようなおしおき拷問マシーンである。
なるほど火車は罪人の死体をこのように盗んで運んでいたわけだ。
さてあなたの死後の地獄旅の計画、少しは現実味を帯びてきただろうか?
というか殺生だけでもはっきり言って世界中のほとんどの者が犯してしまっている気がするので、等活地獄の一兆年は覚悟しておかなくてはならないのかも知れない。
そりゃみんな極楽浄土に簡単に行けちゃう宗教に群がるわけだ。
では皆さん、よい地獄ライフを☆