妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

共潜(ともかづき)

共潜

トモカヅキは三重県の海に現れたと云われる妖怪である。

字からもわかるように、潜水中に現れる妖怪であり、海女さんが主な目撃者となったようだ。

共潜は、ドッペルゲンガーとも似ていて、潜水中の海女さんの前に、そっくり同じ姿で出てくるのだという。

時にはアワビやウニをくれたりするが、それはあくまでも誘い出す為であり、調子に乗って貰い続けているといつの間にか帰れないような沖まで来ていたり、あるいは海底の暗闇に引きずり込まれてしまうのだと云う。

 

僕はあまちゃんブームには乗りそこなったクチなのでよく解らないが、海女の仕事というのはそれはもう大変体力を必要とするらしい。その結果、疲弊しすぎた海女さん達の幻視が広まり妖怪となったとする説もある。

 

幼い頃、父親に連れられて行った海釣りは未だに僕の中でトラウマとなっている。

波がとにかく怖いのだ。

そして岩間から覗く漆黒の水。

たまに父親が岩と岩とをひょいと飛び越えて移動するのだが、そのたびに泣いてしまっていた。

海女さん達は、その中に潜って行くのである。それも素潜りで。

海上で海を眺めているだけでも二三匹は妖怪が見えちゃいそうな程僕は海に対して恐怖を持っているわけで、潜ったりしたらそりゃもう魑魅魍魎を眺めつつ気絶できるだろうと思う。