こそこそ岩とこそこそ話
こそこそ岩(こそこそいわ)
岩の妖怪・怪異はそれこそ無限かと思えるほどに沢山ある。いつかパワーストーン特集やりたいぐらいに。
このこそこそ岩もその内の一つ。
このこそこそ岩は、岡山県にある。柳田國男の妖怪名彙に「コソコソイワ」の名で紹介されており、幅五尺(1.5メートルぐらい)で、そばを通ると「こそこそ」という物音を立てるのだという。
情報と言えばそれぐらいなもので、っていうかただの岩だろそれ、と言いたくなるのだが、ちゃんと資料に載っているということは多くの人々が体験したからこそなのだろう。
さて。
妖怪こそこそ岩で盛り上がるにはもう限界な感じなので、実際のこそこそ話についてのことを少し。
レストランなどで、それまで大声で喋っていた客が、突然こそこそと小声になって話しはじめる。と、それまで気に留めていなかったにも関わらず、急に気になって聞き耳を立ててしまったりする。
なんとも皮肉なものだが、こそこそ話をすると逆に意識して聴こうとしちゃうものだ。
また、こそこそ話でありがちな噂話や内緒話。
僕は「一人に言ったら全員に伝わるものと思え」と自分に言い聞かせている。
これは本当に経験上で、小さなコミュニティ(例えば会社とか、学校とか、職場とか)内では、誰か一人に言った内緒話というのはすぐに全員の知るところになるものである。
で、ただ全員に伝わってしまうだけならまだいいが、往々にしてトンデモな尾ひれがついてしまっているのだから手におえない。
悪口なんかは出来るだけ人に言わない方がいいのである。
つっても僕も結構ひねくれているのでやっぱりバッシングすることは多い。
悪口というのは本当に呪いと同じで、「人を呪わば穴二つ」の法則が適用される気がする。
誰かの悪口を言ったのなら、それは巡り巡って自分をも貶めることになる。
本当に全く人の悪口を言わない人物。僕はそれに憧れる。自分がムリだから。
そして、本当に全く人の悪口を言わない人物を、僕は生涯でまだ三人しか知らない(近しい人物で)。
それがどれだけ難しいことかがよく解る。