変事を知らせる茄子婆さん
茄子婆さん
茄子婆さんは、比叡山七不思議のひとつとされているお婆ちゃん。
顔が綺麗な紫色をしていることから、茄子婆さん、と呼ばれるようになった。
ただ、予言・予知をするのではなく、あくまでも大きな変事が起きた際に知らせる、という役割だったようだ。
元亀の年間に特によく目撃されたと言われ(ようは戦国時代)、かの織田信長による叡山焼き討ちの際にもこの茄子婆さんが鐘を撞いてそれを知らせたと言う。
七不思議には、他にも幽霊の逸話や狸の逸話も含まれており、流石比叡山なんでもござれである。
ーー茄子のような顔の婆さんというのはなんとも妖怪的であるが、老いてちょっと変色しちゃうのはよくある話。僕の爺ちゃんは鼻から筆が生えているし、婆ちゃんは年々帰省する度にみかんみたいになっていく。
そう考えると付喪神と似たように、歳を経た人間もまた妖怪視され易いのではないかと思える。