妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

みかり婆(みかりばばあ)

みかり婆

川崎市を筆頭に、千葉、東京といった関東圏で現れると言われるみかり婆。
みかり婆登場の期間や、日にちは実に様々で、一体どのような現象がこの妖怪になったのか、ちょっと判別できない。
ざっと書くと、
横浜では、11月25日から12月5日にかけて現れ、家々の戸を叩き、「蓑を貸してくれ」と言って回る。つまりは「蓑かり」で「みかり婆」ということだろう。
みかり婆を避けるには、戸口に団子をさしておくといいのだと言う。

似たようなもので、川崎市中部も同じ期間に現れるのだという。

また、旧暦の12月8日、2月8日は物忌みの日であるが、川崎市北部ではその物忌みの日に合わせてみかり婆が出ると言われている。

相当古い歴史を持っているとされる妖怪だけあって、旧暦の行事や宗教も色々と関係していると思われるのだが、みかり婆の明確な起源はわからない。

旧暦の物忌みの期間を、「コトハジメ、コトオサメ」や「ミカリ」などと言う。
その家に籠もる期間に、何らかの現象が妖怪のように言われるようになったのでは、とも言われている。

今や失われつつある民間行事の数々。それと同時に、こういったピンポイントイベント妖怪達もどんどん忘れられてしまっている。
仕方のないことなんだけれど、なんかちょっと悲しい。