磯女(いそおんな)
磯女
九州で広く伝承の残る磯女。呼称は地域によって様々であるが、大まかな特徴は似ている。
まず海岸沿いや河原に現れるという点と、美人であるという二点である。
海岸に一人佇む美女がいたからと声をかけたら、物凄い大きな、耳をつんざくような叫び声をあげ、そのまま生き血を吸われてしまった――なんていう吸血鬼顔負けの伝承もある。
美女であることは共通しているのだが、下半身が幽霊のように透明であったり、または道成寺の清姫や濡れ女のように蛇になっている場合もある。
海と女性とは古来から連想しやすいものとして度々関連付けられてきたが、この磯女も然り。どことなく海外のモンスターであるセイレーンと似たような性質を持っている気がしないでもない。
冷静に考えてみると、この磯女も「水辺は危ないから近寄るな」という教訓から産まれたのではないかと思う。また、漁に出た際の戒めとしても機能していたのだろう。
――この磯女は、熊倉隆敏氏による漫画『もっけ』の第四巻に、妹である瑞生を海に誘う恐ろしい美人妖怪として描かれている。お姉ちゃんの静流が磯女に文句言うのは凄い度胸だと思う。
また、『もっけ』全体で見ても磯女のスケスケ衣装は屈指のセクシーショットであるのでぜひ読んでみて欲しい。
※画像はpixivよりキュリサン様からお借りしました。ありがとうございます!